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パンや牛乳を取り除くことで本当に発達障害の症状が改善するのか?

 

パンや牛乳を取り除くことで本当に発達障害の症状が改善するのか?

 

以前、コラムでは、
こちらの記事を書きました。

 

 

 

 

私が手に入れた多くのイーブック・書籍には、
やはり、牛乳やパンは発達障害に良くない、という話が出ています。

 

 

その一方で、
発達障害、および、脳の機能の改善に有名な澤口俊之氏の本には、
牛乳やパンを取り除くことで、発達障害が治るという科学的な根拠はないとしています。

 

 

サイトの公平性を保つために、
以前のコラムで、牛乳とパンのデメリットを書かせてもらったので、
ここでは、牛乳とパンが悪者説の反対意見を載せておきます。

 

ちょっと長いですが、引用します。
(参考文献『発達障害の改善と予防』澤口俊之 小学館 2016年2月1日)

 

文中に出てくるGFCF食というのは、グルテン・カゼイン除去食のことです。

 

 

GFCF食は歴史が長いせいで、多くの研究がなされてきましたが、きちんとした研究では、改善効果は否定されています。また、GFCF食で自閉症スペクトラムが改善するなら、自閉症児にグルテンとカゼインのサプリメントを与えれば、症状は悪化するはずです。最近ではそうした研究もありますが、その結果は「悪化しない」というものです。
グルテンやカゼインを除去しても自閉症スペクトラムは改善しない、逆に、それらをあえて与えても症状は悪化しない、ということです。
(中略)
グルテンは小麦や大麦などの穀物から作られるタンパク質の一種で、パンをはじめとして、うどんや中華麺、ホットケーキ、クッキー、クラッカー、餃子、たこ焼き、お好み焼き、ピザの生地など多種類の食品に含まれています。グルテンを除去するにはこうした食品を摂らない必要があります。しかし、これらの食品には(当然ながら)数多くの栄養素が入っていますから、そうした栄養素を別の食品で補う必要が出てきます。

 

 

長く引用しましたが、澤口俊之氏は、
グルテン除去をただただ信じることには否定的です。

 

また、牛乳に含まれるカゼインに関しても、
母乳のカゼインは良くて、牛乳のカゼインがダメという根拠が見当たらないとして、
これも、盲目的なカゼイン悪者説に疑問を投げています。

 

一応、言っておきますが、澤口俊之氏は、食事による発達障害の改善を否定している人ではありません。
魚を中心とした和食にしましょうと、ずっと、提唱されている方です。

 

むしろ、2003年に出している『モテたい脳、モテない脳』(澤口俊之×阿川佐和子 KKベストセラーズ 2003年5月14日)ですでに、現代食の危険を指摘しています。

 

むしろ、この時点で、
発達障害と、現代の食事との関連性を指摘している方ですので、
食事に関しても、深く研究されている方です。

 

 

盲目的に、牛乳もパンもダメ、と思うのは早計かもしれません。

 

 

ただし、『発達障害の改善と予防』の中で、澤口俊之氏は、
カゼインやグルテンのアレルギー反応は指摘しています。

 

そして、このアレルギー反応、カゼイン・グルテンのせいで、胃腸障害になることと、
ADHD・アスペルガー症候群/自閉症スペクトラム障害との関連は認められると指摘しています。

 

 

これは、私にとっての発達障害の教科書『アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル』にも、
似たような指摘があります。

 

 

 

発達障害と胃腸は非常に強い結びつきがあること、
そして、遺伝子レベルでの発達障害そのものよりも、
それに付随する問題で、みんな悩んでいる、という指摘です。

 

 

私なりに整理すると、
発達障害の敵とされる牛乳やパンは、その栄養そのものが問題なのではなく、
発達障害の方の何割かに、その成分によってアレルギー反応を示したり、表面の皮膚には出ていなくても、アレルギーを起こしている。
または、
胃腸に何らかの障害が起こっている場合があり、それが、発達障害の症状を悪化させている可能性が高いということです。

 

 

そして、体の何らかの反応、胃腸の不快感、体の疲れ、などの刺激で、
常に脳の一部がその情報を受け取っているために、ぼーっとしてしまったり、すぐにイライラしたり、
そのストレスを軽減するために抜毛症になったり、となるのだと思います。

 

 

つまり、牛乳やパンをやめれば、発達障害の症状が軽くなったり、改善したり、
発達障害の人ではなくても、体が軽くなったり、する人が一定の割合ではいる、ということです。

 

 

逆に、やめても、特に変化が感じられない人もいますし、その場合、牛乳やパンから摂取していた栄養が不足する事態になる可能性もあるということです。

 

 

そして、そういった食品はパンや牛乳だけではないんです。

 

 

かなりの食品で、その食品のメリットだけを受け取れる人もいれば、
その食品のデメリットを受け取って、発達障害を悪化させる人がいるんです。

 

 

その一覧表は、『アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル』に書かれています。

 

 

大事なことは知っていることなんです。

 

 

絶対に、体にいいという食品はないということ。
逆に、絶対に悪い、というのもなかなかないんです。
(ジャンクフードや炭酸飲料は誰の体にもよくありませんが)

 

 

大事なことは何度も言っておきますが、『知る』ということです。
知識として持っておくということです。

 

 

食事に関しては、今のところ、
アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル』以上のものはありません。

 

 

ぜひ、発達障害を悪化させているかもしれない食品というものを知っておいてください。

 

 

そして、盲目的にそれを摂取しなければいいということでもない、ということを知っておいてください。

 

 

大事なことは、それを食べてみて、自分の体がどうなっているか、お子さんの体がどうか、を観察することです。

 

そして、自分の体の中を感じることは、「脳の発達にもいい影響」があります。

 

 

ぜひ、知る、ということをおろそかにしないで、
発達障害について、日々、勉強していってくださいね。

 

 

 

小麦や大麦の生産技術は近年上がりすぎて、
グルテンがたくさん入っているという話があります。

 

パンの食べ過ぎには注意してくださいね。

 


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