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ADHD(注意欠如・多動性障害)になる原因は?

 

ADHDの原因は何?

 

 

 

このページでは、ADHDの原因について、書いていきます。

 

といっても、
アスペルガー症候群/自閉症スペクトラム障害と同じで、脳機能の障害ですので、
こちらの記事と原因となる3つの要因は重なります。

 

 

ただ、アスペルガー症候群は、
アスペルガー症候群の書籍などを中心に解説しました。

 

なので、こちらのページでは、
ADHDの書籍や情報を中心に、ADHDになる要因をみていきたいと思います。

 

 

 

ところで、あなたは、NHKスペシャルなどで、
動物の赤ちゃんの出生などを見たことがあるでしょうか?

 

例えば、馬の赤ちゃんは、
出産後すぐに立ち上がり、母馬の乳を吸うようになります。

 

 

 

どうして、こんな例を出したかというと、
人間の赤ちゃんは、他の動物に比べて、かなり未熟に生まれます。

 

しばらくは、自分で立つことはできません。

 

意思疎通が取れるようになるのも、
5〜6年経ってからです。

 

このことからわかるように、
人間の脳は、妊娠中、そして、生まれてから、
あわせて、5〜7年ほどで、急激に成長します。

 

 

そして、この間に、なんらかの原因で脳のバランスのいい成長が阻害されると、
発達障害になるというのが、発達障害の通説となっています。

 

 

こう考えれば、
多くの発達障害の書籍で、8歳ころまでが、
発達障害を治したり、改善したりしやすい、と言っているのもわかります。

 

 

脳の成長期に正しい治療をしてあげれば、脳はバランスよく成長し、
発達障害を防ぐことができます。

 

 

もちろん、それ以上になっても、治すことは可能です。
その話は、後で、するとして、まずは、3つの要因を見ていきます。

 

 

 

1、遺伝的要因

 

発達障害の方が近親にいたり、兄弟・姉妹にいる方のお子さんは、
発達障害になる可能性が、高くなることがわかっています。

 

ただし、あくまでも、
発達障害が遺伝するのではなくて、「発達障害になりやすい」という傾向が遺伝するだけなんだそうです。

 

 

発達障害という言葉から、
生まれつき、というイメージがあり、「絶対に治らない」という印象がありますが、
発達障害の原因である、脳機能の障害というのは、脳がバランスよく発達していない、
ということであり、脳が成長しない、ということではありません。

 

発達障害者の数は、近年激増しており、
遺伝はわかりやすい要因の1つではありますが、それほど重要ではないとも言われます。

 

 

2、環境的要因

 

妊娠中の母親の、飲酒、喫煙、カフェインの摂取、体調不良、
大気汚染、食品の汚染、環境ホルモンなど、
急激に、発達障害の人が増えている原因は、遺伝子だけでは説明がつきません。

 

 

環境的な要因が占める割合は、少なくないと考えるべきでしょう。

 

 

つまり、どれだけ、妊娠・出産中に気をつけていても、
一定の確率で、発達障害の子が生まれる可能性はあると考えておくべきです。

 

遺伝などに関係なく、
ある程度、今の「汚染された環境」が発達障害の要因になっているというのは、考えられることです。

 

 

最近では、「予防」という考え方も出てきてはいますが、
今の時代は、誰しも発達障害的な成長はするもの、と考えておいたほうがいいのでは?

 

と私は考えます。

 

 

3、社会的要因

 

 

社会というのは、日本の社会という意味ではなく、
家族という意味で、です。

 

 

星野仁彦さんの本の言葉を借りれば、
『機能不全家族』が危ないということになります。

 

発達障害は家庭環境のせいでなるわけではありませんが、
『機能不全家族』に発達障害のお子さんが生まれると、
発達障害の症状を悪化させたり、二次障害を起こしたりします。

 

 

私も塾講師として数多くのお子さん、その家族を見てきましたが、
発達障害の症状をこじらせている子の家庭は、やはり正常とは程遠いものでした。

 

 

星野仁彦さんの本では、この危険性についてこのように書かれています。

 

 

機能不全家族の怖い点は、世代間伝播することです。世代間伝播とは、簡単にいえば「自分が子供のころにされたことを、自分の子供にもする」ということです。
人間とサルの育児は本能ではなく学習だといわれます。イヌやネコやパンダは、たとえ小さいときに親に捨てられても、子供を愛することができます。しかし、人間とサルは小さいころに親に捨てられたら、子供を愛せないといわれます。親にされたように子にしてしまうからです。

 

 

この後、アカゲザルの実験で、実際に親に育てられなかったサルが、
自分の子を育てられなかったという悲しい実験が紹介されます。

 

この怖さに加えて、
私が危惧しているのが、10年前までなら、正しかった子育てが、
今では通用しなくなって、親は頑張っているつもりでも、結果的にネグレクトになっているケースが出てきているのでは?
と思っています。

 

例えば、
私の塾で、ある大手学習塾から、転塾してきた生徒がいました。

 

 

小島雄太君(仮名)としましょう。

 

雄太君は、定期テストで、5教科370〜380点ほど取れる優秀な中学生でした。

 

まわりの信頼はあつく、
テニス部のキャプテンで、
学校の先生からの信頼もあつく、

 

塾に来なくてもいいのでは?と私自身が、お母さんに言ったほどです。

 

 

ただ、大手塾に行っておきながら、
400点を超えないのは、少し変だなと思っていました。

 

 

私の塾に来てからも、1度だけ400点は超えたものの、
なかなか壁を突破できませんでした。

 

 

担当の講師と話をして、テストを見せてもらっても、
「解けない問題は1つもないのに、なぜか、間違うんです」という答え。

 

最初は、担当講師の自分は悪くないという言い訳かと思ったんですが、
雄太君の解くテストを見ると納得。

 

後半の応用問題は取れているのに、
前半のただの暗記や計算で、ミスを連発しているのです。

 

 

その子の授業の様子をさりげなく見てみると・・・・

 

 

日本語を英語にしなさい、という問題で、

 

 

日本語の問題文をそのまま、解答に書いているんです。

 

私はメアリーです。

 

という文章があったとして、
これを英語にしなさいという指示なのに、

 

私はメアリーです。

 

と解答欄に書いているんです。しかも、本人は真面目に授業を受けています。

 

 

流石に唖然として、担当の講師を見ました。
講師と目が合うと、彼は私を見て首を振りました。

 

 

雄太君が帰った後、担当の講師と話をしました。

 

 

「実は、ああいう間違いがたびたびあるんです。
本人はいたって真面目に解いているのが、逆に怖くて。
信じてもらえないと思って黙っていました。
一種の、文字が読めないっていう学習障害なのでしょうか?」

 

 

担当の講師も、自分なりに彼の症状を調べたらしく、
いったん、この話は私のほうで預かりました。

 

 

何回かのお母さんや、雄太君の面談を終えて、

 

見えてきたのが、雄太君のお母さんは公務員だったが、うつで仕事をやめたこと。

 

そのお母さんは体調が悪くなると、近所のおばあちゃんの家に行って休むのだということ。

 

塾があったり、クラブで疲れて、家ですぐ寝てしまうと、夕ご飯を食べられないことが多々あるということ。

 

雄太君は母親らしいことをしてくれない母親が嫌いであること。

 

ご飯は近所のおばあちゃんが用意しているが、そこに行かないと食べられないので、面倒な時や、母親に会いたくない時は食べない、ということ。

 

 

などがわかってきました。

 

 

その家は、代々、頭のいい一家で、
お父さんやお母さんは、有名私立大学の出で、2人とも公務員(市役所勤務)でした。

 

お母さんは、職場で「いじめ」にあって、退職したそうですが、
話しを聞くと、お母さん側にも少し、非があったかなという内容でした。

 

 

お子さんがいるのはわかりますが、
勝手に仕事を5分前に切り上げて、
定時退社5分前にかかってきた市民からの問い合わせの電話などには、
一切出なかったそうです。

 

他の人は、残業(しかも、サービスで)で、30分から1時間は毎日残っている職場でそんなことをしたんです。
そりゃあ、嫌がらせの1つや2つはあるだろう、と。

 

お母さんは、そうしないと、
私は3人の子供を育てているんですから、とても、無理です。

 

 

と仰っていました。

 

 

おそらく、お母さんも、発達障害的な要素があり、
人の感情がわからないのでしょう。

 

 

というか、勉強が代々できる家で、
今までは、「勉強ができる」ことで、それなりの尊敬をまわりから集め、
それまでのわがままな振る舞いには多少、許されていたのだと思います。

 

 

しかし、社会の変化から、それが許されなくなった。
そして、勉強できる、という価値が相対的に低くなり、
子どもが勉強にそこまで価値を見いだせていないのに、
自分も行っていたからと、子供を大手進学塾に行かせ、子供のストレスになっていたのでした。

 

 

結局、雄太君は、普通の高校の普通科に進学し、
塾に卒業の挨拶に来るときには、お母さんのことを、「あの人がいろいろすみませんでした」
と言いました。

 

 

彼は頭もよく、
顔も端正なイケメン顔で、
人からも人気があったのに、
いつも、不機嫌そうでした。

 

あのお母さんじゃなければ・・・・

 

そう思ってしまう一件でした。

 

 

星野仁彦さんの本を読んでいて、
世代間伝播の「機能不全家族」のネグレクトもそうですが、
一昔前なら、正解とされていた子育てが、今はネグレクトになってしまうケースもあり、
発達障害の症状を引き起こしてしまうケースもあるのではないか?

 

 

そう、私は、今までの経験から思ってしまいました。

 

こういう家族は他にいるのでは?と思うと怖くなります。

 

 

この負の連鎖を断ち切る方法は、1つ、「自覚」すること。です。

 

 

そして、自覚してしまえば、案外、簡単に解くこともできます。

 

 

発達障害に精通されている星野さんのような心療内科医や最近の発達障害支援センターが、
発達障害の当事者だけではなく、その家族ごとカウンセリングするのは、このためです。

 

機能不全家族だったんだと気づくことで、
その鎖を断ち切ることが、「意志」のある人間には可能です。

 

 

発達障害は自覚することで、変わっていける、とよく言われますが、
それは、こういうことでもあるんです。

 

 

ADHDの原因として3つ書かせていただきました。

 

 

発達障害になる原因を知って、それを「予防」するのも大事ですが、
「自覚」して、子育てをする側も、常に勉強し続ける。

 

これのほうがもっと大事だということを、
最後に書いておきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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