管理人からのお知らせ

医学的根拠がないという根拠は、すでにあまり意味がない、という話です。

 

 

エビデンスの高い論文、エビデンスレベルの高い論文というのが、
すでに、時代遅れになっている時代に、私たちは生きています。

 


 

 

医学的根拠がないという根拠は、すでにあまり意味がない、という話です。

 

 

 

先日、興味深い記事がヤフーに載りました。
https://news.yahoo.co.jp/byline/naritatakanobu/20180121-00080702/

 

 

 

 

ヤフーの記事は、時々、削除されるので、
あなたがこれを見ている時期によっては、記事自体がもうないかもしれません。

 

記事のデータとしては、
管理栄養士である成田崇信さんの「発達障害を食事やミネラルで改善というお話には気をつけて」という
タイトルの記事です。

 

冒頭、こんなふうに始まります。

 

食事にミネラルを取り入れることで、
発達障害やアレルギーの改善に取り組んだ団体の記事を新聞記事でみかけ、
2018年になってもこのような取り組みがマスメディアで取り上げられるのが、
哀しく、悔しいとなります。

 

 

まず、この時点で、私としては、??がいっぱいでした。

 

 

私自身、たくさんのお子さんやお父さんとお母さんに出会ってきましたが、
発達障害の症状がきつく出ているお子さんは、決まって、日常生活が乱れています。

 

 

なので、食事の改善をすることで、
発達障害の症状の緩和はかなりの確率で見られます。

 

 

さて、成田さんが、
発達障害の改善と食事改善が、無関係のように言うのは、
これです。

 

 

発達障害の治療は確立されていない!

 

 

ということです。

 

 

これも、??です。

 

 

食事の改善やミネラルの摂取で、発達障害の改善を目指した団体は、
発達障害の治療方法が確立していないからこそ、そういう活動を行っているんだと思います。

 

 

このあたりは成田さんが、
発達障害の改善という視点の定め方をきちんとされていないことが、問題なのかなと思います。

 

 

発達障害の治療、という言葉には、
根本原因を特定し、根本から治し、再発しない、という意味が込められているように思います。

 

 

今のところ、そんな方法は存在しません。

 

 

発達障害について少しでも調べたことがある人なら、
そもそも、発達障害になる原因がわかっていないのだから、
根本治療など「不可能」ということがわかります。

 

 

その意味で、成田さんは、発達障害の治療法などない、ということを指摘していると思います。

 

 

この部分に関しては、私もその通りだと思います。

 

 

しかし、私は、発達障害の改善に、食事の改善は有効、というよりも必要!だと思っています。

 

 

 

わかりやすいので、最近、ニュースになったエナジードリンクで子どもが壊れる、
という話を例にします。

 

https://news.yahoo.co.jp/feature/815

 

エナジードリンクによって、子どもの心が壊れていくことが、書かれています。

 

 

 

こういうヤフーニュースにはなっていませんが、
脳科学者の澤口俊之先生は、その著書、「モテたい脳、モテない脳」(KKベストセラーズ 2003年5月14日発行)などで、
現代の食事の危険性、脳にダメージを与える可能性を示唆しています。

 

 

これは、推測ですが、
成田さんは、発達障害は食事で治る!ということを妄信してしまうお母さん方が、
無理をして食事療法をしていることを危惧されているのではないか?

 

 

と考えています。

 

 

必要以上に、食事を気にして、
特定の食べ物を全く食べないようにしてしまうと、
栄養面で弊害が出てきてもおかしくありません。

 

 

ですが、いっぽうで、
食事を改善することで、精神的な疾患や発達障害だと考えられる症状が改善した例も、
実際にはあるんです。

 

 

私がレビューさせていただいている本では、以下の本ですね。

 

うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった

 

 

2週間で体が変わるグルテンフリー健康法

 

パンと牛乳は今すぐやめなさい

 

 

また、やまもとまゆみさんや澤口俊之先生の本でも、
食事の改善と発達障害の関係について示唆する内容があります。

 

発達障害の改善と予防

 

発達障害の子がぐーんと伸びる心と体の育て方

 

 

この成田さんの記事の問題点は、
発達障害の治療を、0か100かで捉えすぎな点と、
根拠とされている発達障害の専門家の方、というのが、精神科・心療内科の先生なのではないかという点です。

 

 

発達障害の治療、というか、症状の改善に、
食事が有効的なのは、発達障害の症状が引き起こされる原因が脳にあるからです。

 

 

ADHDの方、自閉症傾向のある方、の脳のどこの部位の働きが弱いかは、
わかってきています。

 

けれど、なぜ、その部位の働きが弱くなるかはわかっていません。

 

  • 幼いころに物理的にダメージを負ったのか、
  • 遺伝的なものなのか、
  • それまでの食事などの生活様式のせいなのか、

 

個々人で違いがありすぎて、
また、複雑に要因が絡まりあっているので、
その理由は解明できません。

 

 

ただ、食事や生活習慣などによって、発達障害の症状がきつくなっているお子さんの場合、
食事の改善がダイレクトに、発達障害の症状の緩和につながることが多いです。

 

 

また、急激に発達障害の人が増えているのも、
この食事や生活習慣が原因で起こっているケースが増えているからだと考えられます。

 

 

そのために、
食事の改善が、発達障害の症状の緩和につながったと感じる人が増えているのだと思います。

 

 

そのことと、全員に効果があるか、ということは別問題ですが。

 

 

そして、私が気になったのが、
私のこの記事のタイトルにもなっている医学的根拠、なんです。

 

この記事の盛田さんも、
発達障害の改善と食事の改善との関係に関しては、エビデンスレベルの高い論文がないと主張します。

 

 

これは、学術論文を指します。

 

 

さて、学術論文ですが、
あなたは自分の仕事をしながら、学問の専門雑誌に載せられるような論文を、書けますか?
また、書こうと思いますか?

 

 

私は無理です。

 

 

これは、藤川徳美先生が、ご自身の著書でその問題を指摘しています。

 

海外の専門誌などに投稿し、
きちんと取り上げられる論文、
よく専門家の方がエビデンスの高い論文と言われる論文を書くには、
藤川先生は、100時間は必要だと言います。

 

実際に、藤川先生自身も論文を書く経験はされています。

 

もちろん、執筆だけではなく、
その精査、内容の信ぴょう性などの確認のために、
実に、1年以上のタイムラグを生じて、【最新の研究】なるものが、
遅れて発表されるわけです。

 

さらに、発表されてすぐに、それが広まるわけではなく、
一般の医者に認知されるまでに、3年はかかると藤川先生は指摘されます。

 

そこで、今、目の前の苦しんでいる人を救いたい、
自分の知っている最新の知識を世に出したい、と考える医師の方はどうするか?

 

 

以下、引用させていただきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このように時間を奪われるプロセスは無駄なので、もう論文は書く気にはなれません。
でも自分が発見した科学的真実はどうにか世に出したいと考えています。であるなら、頭の固い専門医相手ではなく、柔軟な思考を持つ、勉強熱心な一般人向けや、そうした情報に敏感な一部の医師に向けた本を書こうと思うのは自然な流れだと思います。つまり、最新の科学的真実は論文にはならず、書籍として出版されるのです。論文ばかり読んで、本を読まない専門医は、どんどん遅れていくのではないかと感じています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(「うつ・パニックは『鉄』不足が原因だった 藤川徳美 光文社 2017年7月20日)

 

お医者さんご自身が、
医学雑誌に疑問を持ち、現場にいる医師の最新の知識は、
本になり、一般の方のほうが最新の知識を得やすい、と指摘しています。

 

 

ちなみに、医学部、薬学部の学生(塾でアルバイト講師をしてもらっている)も、
自分で勉強した方がいいですよ、とアドバイスしてくれます。

 

 

このように、エビデンスレベルの高い論文自体が時代遅れである可能性と、
エビデンスレベルの高い論文のみに固執する専門家は、
時代遅れの知識レベルでものを言っている可能性もあるわけです。

 

 

本当に困っている患者さんを相手にしながら、
きちんと患者さんのためになる治療を施しながら、
本当に最前線にいる人には、数年待たないと世に広まらない論文なんて書いている暇などないんです。

 

 

それでも、なんとかして、
今、自分たちの持っている知識を広めたいからこそ、
出版という形で、私達の手に取る形にまとめてくれています。

 

 

また、お医者さん自身が、
エビデンスの高い論文よりも、個人が書いた本を重視すると、ということを、
藤川徳美先生がおっしゃっています。

 

 

つまり、食事や栄養によって、
発達障害の改善の可能性があるというのは十分認められるということなんです。

 

 

エビデンスの高い論文がすべて正しいわけではなく、
また、その論文はすでに古い可能性もあるわけです。

 

 

医者の中でも、エビデンスの高い論文よりも、
他の医師が書いた最新の本を重視する、という流れがあるわけです。

 

 

私達は、この事実こそ、知っておかなければならないと思います。

 

 

発達障害の治療方法は確立されていないからこそ、
私達は、自分で勉強し、それを実践していくしかありません。

 

 

幸い、食事の改善は、
取り組みやすく、極端なものでなければ、命の危険に関わるような副作用もほとんどありません。

 

今回のヤフーの記事は、
私からすると、とても、古い感性の先生の記事だ、という印象を受けます。

 

また、引用は長いのでやめますが、
藤川徳美先生のこの本では、さらに、こんなことを書いています。

 

簡単にいうと、エビデンスの高い論文は精神疾患が治せないっていう内容ばかりで、
読んでも仕方がない。
そのかわり、毎年出る本を読むことで、視野が広がり、
新しい治療のヒントを得ている、と書いています。

 

 

つまり、エビデンスの高い論文というのは、
めっちゃ長い時間と文字をかけて、「治せない」ということだけを語る文章なんですね。

 

発達障害を改善させるのは難しいですね〜とか、
偉そうに言われてもそんなこと知ってるよ!ってなりますよね。

 

 

でも、目立たないかもしれませんが、
精神疾患で悩む患者さんをなんとかしよう、
目の前の人だけではなく、全国の人にもこの知識を届けようとしてくれる医師はいます。

 

 

今回のヤフーの記事は、文字数の関係もあったかもしれませんが、
誤解を与えやすい、また、食事の改善によって、よくなる可能性がある人の未来までも、
もしかしたら、奪いかねない記事です。

 

 

100%の人に効果があるものではありませんが、
食事の改善は勉強し、実践する価値があるものです。

 

 

そして、医師の方でも、最先端の考えや実践を学ぶために、
本やイーブックなど個人が書いたものを重視する、という流れになることは知っておく必要があると思います。

 

 

ただ、こうやって、発達障害のことが注目されるのはいいことだと思います。

 

 

そして、いろんな考えや記事に流されないためにも、
私達がたくさん勉強しておくことは必要なんですね。

 

 

気になったので、私の考えをまとめてみました。

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