発達障害について
発達障害について
まずは、人の発達する能力について見ていきます。
「立つ」「歩く」といった、「粗大運動」と呼ばれる動物としての基本的な運動から・・・・
- 「微細運動」(裁縫やプラモデルなどの細かい動き)
- 「言語能力(コミュニケーション能力」(話すだけではなく、相手の気持ちや意図を汲み取りながら聞く能力も含む)
- 「社会性」(対人スキル、場の空気にあわせて、どう行動するかを選択する能力ともいえそうです)
- 「学習・認知能力」(勉強する力、教えられたことを覚え、実践する力になります)
- 「行動や感情のコントロール能力」(家、外で振る舞う姿勢を変えられる、自分の行動と、感情をおさえる能力全般)
- 「基本的な生活習慣をおくる力」(スリッパを脱ぐときに揃える。ごみはゴミ箱にきちんと捨てる能力)
発達障害と診断されない人は、
この能力が多少は凸凹しても、バランスよく育っていくとされています。
この能力の発達バランスが著しく偏っていたり、
年齢相応の行動がとれない場合に、発達障害と言われます。
今のところ、発達障害は4つに大きく分けられます。
1、学習、認知の発達が著しく遅れている(学習障害/LD)
例としては、漢字が上手く書けなかったり、
枠内に文字を入れることが苦手だったりします。
また、同じような問題でも、解き方を知っていても、10問中5〜7問しか正解できないという面が見られます。
2、行動のセルフコントロールの能力の発達が遅れている(注意欠陥多動性障害/ADHD)
急に立ち歩いたり、
中学生になっても、授業中どうしても動いてしまう、しゃべってしまうという行動を取ってしまいます。
また、仲の良い誰かの姿を見ると、そちらに気を取られる行動が多々見られます。
3、社会性と言語の発達が著しく遅れている(アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラム障害/ASD)
大人として話していて、うっとおしいと感じる小学生高学年〜高校生はこのタイプになると思います。
他人である大人に感情をそのままぶつけたり、失礼な態度をとります。
ただ、本人にはその意識はなく、悪気はないのですが、正直、あまり関わりたくないタイプとなります。
4、発達が全体的に遅れている(知的障害/MR)
4つにはわかれていますが、
発達障害と診断される方は、複合的に起こっているといわれます。
特に、ADHDの方は、LDを、
重度のASDの方は、MRを一緒に発症しているといわれます。
私も、塾の仕事を通して、いろいろ子どもや大学生と接してきて、
ADHDの症状が見られる子には、LDの症状が、
アスペルガー症候群の傾向がかなり強く出ている子は、
知的障害の傾向、知的な発達障害とともに、体の発育も遅れている。
というものが見られました。
本当に、感じることは、
できるだけ早く発達障害は診断を受けることが大切です。
発達障害の多くの子は、知らず知らずのうちにまわりからも嫌われていきます。
また、私自身、塾経営のため、塾から追い出すような形になったお子さんも多数出会ってきました。
発達障害は、子供が発症している場合、
彼、彼女ひとりで解決することは、ほぼ不可能です。
発達障害の診断を受けることは、特別なことではありません。
ぜひ、少しでもどうなのかな?
ということがあれば、きちんと検査を受けるようにしてくださいね。
ひろあの発達障害の見解
現在、発達障害の出現率は、10〜20%というように、
書籍や、ネットでの発達障害のあれこれを調べているとそのように書いています。
ただ、私自身の考えでは、
どんな人でも何かしらの発達障害を抱えているのではないか?
ということです。
というのも、私の会社でも、発達障害の研修を行ったり、
私の管理している塾の教室で、大学生のアルバイト講師たちに、
発達障害の知識をシェアしていると、ほとんどの学生が、
「あ、これ、自分のことです。」と言います。
そもそも、どんな人でも、自分の足りなさ、自分の嫌なところ、自分の性格で、悩んでいます。
あの人みたいにできたら、
普通の人みたいに穏やかにできたら、
もっと賢くなれたら、
みんなそれぞれそんな思いを持って生きているんです。
ただ、発達障害の場合、
まわりに許容以上の迷惑をかけてしまう場合がある。
ということで、問題になっていたり、
病院での検査、診断が必要になるのだと思います。
発達障害は、特別な人の問題ではなく、
これからは、すべての人が自分のこととしてとらえていかないといけない問題だと思います。