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発達障害の怖さ|能力が全体的に低下していくスパイラルが危険

 

発達障害の怖さ|能力が全体的に低下していくスパイラルが危険

 

発達障害の怖さは、
ADHDで言われる、多動性や衝動性、
それから、アスペルガー症候群/自閉症スペクトラム障害でいわれる、言葉を表面上でしか、
理解できない。

 

 

 

 

 

など、発達障害の特徴は、各所で言われていると思います。

 

 

けれど、私が発達障害で怖いなと思っているのは、
同世代、同年代の子どもと比べると、
全体的に能力が劣っていく、これが、問題だと思っています。

 

 

能力に凸凹があるのは個性ですよね。

 

人より勉強はできるけれど、運動はできない。

 

運動はできるけれど、勉強はできない。

 

 

昔は、これが普通だった。

 

 

でも、発達障害のお子さんは、

 

勉強もできなくて、運動もできない。

 

もちろん、1人1人ときちんと向き合えば、
まだ、勉強の方が得意だな、まだ、運動の方が得意だな、というのはわかります。

 

 

だけど、まだ得意だなという分野も、
平均に及ばないということが見られます。

 

 

 

発達障害の中の【低能力症候群】(私が呼んでいるものです)

 

 

ここが、今後、問題になるのでは?と私は思っています。

 

 

つまり、その年代で、できていて当たり前のことができない。

 

 

こうすると、どんどん、まわりはその人から離れていきます。

 

そして、その人のまわりに残るのは、
同じように、【低能力症候群】になっている子たちになります。

 

 

だから、自分は変じゃないと思って、
どんどん、「普通のレベル」から取り残されていきます。

 

 

例えば、小学校4年生になろうとするのに、九九ができない。
小学校3年生だけど、「は」と「わ」や「を」と「お」の使い分けができない。

 

中学生なら、「代入」ができない、
分数の足し算と掛け算の違いがわからない。

 

先生の教え方以前の問題で、
脳の機能が「低い」せいで、他の人なら理解ができる説明でも、
発達障害の中の【低能力症候群】になっている子は理解ができません。

 

 

だから、どんどん授業もついていけなくなります。

 

 

発達障害の中の【低能力症候群】の子たちの問題は、
学力が低下する、といった表面的な問題だけではありません。

 

 

彼らの多くは、賢くなりたい、せめて、普通のレベルでありたい、と思っています。

 

 

だけど、できない。

 

 

その子の親によっては、責められるし、
塾の回数は増やされるし、
友だちからも、「どうして、こんなことができないの?」

 

と責められ、ストレスが溜まっていきます。

 

 

それは、時に、

 

抜毛症や、円形脱毛症といった症状で出てきたり、
皮膚のかぶれ、荒れ、また、拒食、過食という形で別の問題を引き起こします。

 

 

なぜ、自分はできないのか・・・・

 

 

彼ら自身にもわからないし、
彼らは彼らなりに、がんばっているのです。

 

 

普通の人や周りから見れば、全然、頑張っていないように見えても、です。

 

 

発達障害の支援の現状は、
地域によって差がありますし、理解があり、積極的に発達障害支援センターが機能しているところもあれば、
ただ、センターが法で決められたからあるだけ、という地域もあります。

 

 

すでに、国が発達障害についての支援が必要だと認めたにもかかわらず、
私たち一般の人間の理解が進んでいるかというと、そうではない状況です。

 

 

その中で、ADHD、アスペルガー症候群/自閉症スペクトラム障害、などといった言葉に隠れて、
発達障害という確定的な診断はもらえないけれど、
明らかに発達障害によって、すべての能力が低下してしまっている。

 

 

 

そんな子供たちがたくさんいるんです。

 

 

一部の脳科学者や脳についてよく知っている医師の方の、
発達障害に関する本を読めば、発達障害の方の脳のどこの部分が弱く、
どこがよく反応するかはほとんどわかっています。

 

 

その方たちの研究によって、
発達障害というのは、脳機能の偏りや損傷が原因であったり、
発達に不具合があったり、ということまでわかっています。

 

 

星野仁彦先生は、発達アンバランス症候群と名付けたいとおっしゃっています。

 

 

 

 

でも、この言葉のイメージだと、
発達にアンバランスさはあっても、
人よりできないことがあれば、人よりできることがある、そういうイメージですよね。

 

 

 

ただ、実際に現場でたくさんの子どもたちを見ていると、
確かに発達にアンバランスさはあるものの、すべての能力の発達、
精神的にも、肉体的にも、スポーツ、勉強面においても、人より劣る。

 

 

そういう子がたくさんいるんです。

 

 

スポーツがまだ、得意、という子もいますが、
公立中学校のクラブの中で上手い方、というだけで、
特待生が取れたり、推薦がもらえたりするわけではありません。

 

 

そもそも、学校のクラブ以外に、
外部団体に入れさせてもらっていて、練習量が人より多いだけ、という状況も多いです。

 

しかも、その子のためを思って預けているというよりは、
外部団体で家にいないでくれたほうが「楽」というご両親の意向も強いです。

 

それを発達にアンバランスがあるので、
その人の長所を伸ばしながら・・・・・などという綺麗ごとは言いたくありません。

 

 

そう言っている間に、
他の子との差はどんどん広がっていくんです。

 

 

発達障害は脳機能の障害であり、放っておくと、
周りの子たちにどんどんついていけなくなります。

 

 

社会に出るころには、どうしようもないほどに差があり、
上司から怒られ、人並みの仕事を求められ、
できずに長時間労働になったり、鬱になったり、引きこもりになったりします。

 

 

 

発達障害の怖さは、ここなんです。

 

 

発達障害があるということは、脳機能の発達に問題があり、
ADHDやアスペルガー症候群のような、
多動性が見えたり、自閉症の傾向があったり、そういう特徴的な問題が見えた子はラッキーだと思います。

 

 

判断はつかないけれど、
能力だけはどんどんまわりと差をつけられる。

 

 

こういう子のほうが、将来的に大変になっていきます。

 

 

 

発達障害の怖さは、私はここだと思います。

 

 

 

これは、ほとんどの本には載っていません。

 

 

 

 

でも、最も怖く、最も問題になっていることだと、
実際にたくさんの子どもたちにあう私は思っています。

 

 

 

 

この怖さは、発達障害について考えるときには、必ず頭に入れておいてください。

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