管理人からのお知らせ

『脳からストレスを消す技術』のレビュー・感想|発達障害のお子さんのその未来を信じて

 

『脳からストレスを消す技術』のレビュー・感想となります。

 

書籍データ

 

タイトル:脳からストレスを消す技術〜セロトニンと涙が人生を変える
著者:有田秀穂
出版社:サンマーク出版
発行年:2008年12月25日

 

『脳からストレスを消す技術』のレビューと感想になります。

 

脳の仕組みがわかる1冊となっています。

 

2008年、今から10年以上前の出版物ですから、
こういった本の発達障害への言及はありません。

 

 

うつ病や不眠症といったものに対する本となっています。

 

 

最近は、本当に発達障害だと診断されるお子さんが増えてきました。

 

中でも、私が気になるのが、
親御さんの「親としての力」の低下です。

 

 

育児をさぼっているとか、
子育てをしていないとか、

 

 

そういうことではありません。

 

 

親として成長しようという意志がないことです。もしくは、その方法がわからない。ということです。

 

 

私は塾で働いているので、
こんなお父さん、お母さんによく出会います。

 

中学2年生の後半、中学3年生まで、
子どもの成績の低下を放っておいて、
いきなり塾に来て、行ける高校を探してほしい、もしくは、成績を上げてほしい、とくるんです。

 

そして、○○高校と提案すると、
そこって、退学者が多いですよね、とか、
そこって、いじめがあってニュースになったところですよね、とか、
色々、文句を言ってきます。

 

 

中学2年生、3年生まで、
成績が下がり続けているお子さんって、
いきなり塾に来たから、上がるものではありませんし、良くても横ばい、そして、微増です。

 

 

成績が下がり続けるお子さんは、
もちろん、学校の勉強についていけないということもありますが、
絶対に、親御さんもどこかのタイミングで「なんとかしなくてはいけない」と思っていたと思うんです。

 

 

でも、できなかった。

 

 

お子さんと向き合えなかった。

 

 

で、お子さんのほうから「そろそろ塾に・・・・」となってやっと動けるケースが出てきます。

 

 

早めに塾に入れるお父さん、お母さんは、
今、通っている学校の現状や高校入試のことなど、ある程度、情報を集めて、
自分でお子さんのことを考え、行動されているんですね。

 

 

学ぶことって、本当に大事です。

 

 

学ぶからこそ、新しい行動ができるんです。

 

 

少し、話がそれてしまいました。

 

 

私は発達障害のお子さんがいるご家庭で、
何冊か「発達障害とは何か?」が書かれている本を読んだ後に、
この『脳からストレスを消す技術』を読んでほしいと思います。

 

 

日本では、定期的にお子さんの健診があります。

 

 

いわゆる「普通」の子と、ADHDなり、自閉症スペクトラム障害と診断される子の明確な線引きはありません。

 

けれど、おそらく、お父さん、お母さんが、
子育てがつらいなと思って、専門機関に相談すれば、発達障害だという診断がおりるはずです。

 

 

そして、診断がおりたからといって、特別な支援を受けられるかというと、
いったん、様子をみましょう、というケースが多いです。

 

住んでいる地域が手厚い教育支援を行っているならそれが受けられますが、
そうではない場合は、基本、普通の子と同じところに入ることになります。

 

 

最初は、皆と違っても、
1年、2年経つうちに、普通の子より苦労するところはあっても、
それでも、みんなの中でそれなりに過ごせるようになります。

 

 

だからいっそう、お父さん、お母さんは強く思われます。

 

 

どうして、うちの子だけこんなに違うのだろう、と。

 

 

発達障害になってしまうお子さんと、そうでないお子さんの違い。

 

 

この本を読むとその差がどうしてできてしまったのか、それがわかります。
他の子と自分の子の違い、それは、日々の習慣だったんです。

 

 

詳しくは本書の中身に譲るとして、
この本に書かれている脳を活性化して、ストレスを消していく「方法」は、
決して難しいものではありません。

 

基本的には、

 

 

  • 腹式呼吸をする。
  • 太陽の光、特に、朝日を浴びる。
  • よく噛んで食べる。

 

 

これだけ、です。

 

 

腹式呼吸をさせる家はあまり見たことがありませんが、
たとえば、子どもを起こす時の動作でも、ご家庭それぞれで違いがあります。

 

お子さんを起こす時、すぐに起こす家と、
カーテンをあけて、陽の光を部屋に入れてから起こす家があるんです。

 

 

ちょっと昔のアニメですが、「美味しんぼ」というアニメがありました。
amazonのプライムビデオで見放題なので見ていますと、
そのアニメの登場人物たちが、朝、起こされるという場面があります。

 

そこでは決まって、カーテンをあけて、太陽の光を全身に浴びてから、
誰かに起こされるという手順になっていました。

 

 

おそらく、ちょっと前までの日本では、
朝日を浴びさせてから、起こすというのは当たり前に行われていたことだったと思うんです。

 

たったこれだけのことですが、
これをやらないご家庭の多くは、お子さんがなんらかの問題を抱えています。

 

そして、よく噛んで食べる。

 

噛む力というのは時々、話題になります。

 

でも、これって、別にかたいものを無理に食べなくてもいいんです。

 

かたくなくても、いろんなものを食べればいいんです。

 

今のお子さんの朝食の多くは、パン1つ。

 

食パンに良くて、サラダ、とか、卵、とかです。

 

 

でも、昔ながらの朝食とか、
なか卯とかそういう牛丼チェーン店の朝食の定食でもいいので見てください。

 

ご飯、味噌汁、魚、漬物、卵だったり納豆だったり、
種類が豊富ですよね。

 

食べるのに時間はかかりますが、
パン1枚よりも、噛む回数は増えています。

 

増えるのだから、よく噛んで食べる、ということができるようになります。

 

 

そして、噛むというのは、個人個人のペースはありますが、
自分の好きなペースで噛み、食べることになると思います。

 

 

この自分の心地よいリズムであることをする、というのは、脳の機能を高める、ということがわかっているそうです。

 

本書にも載っています。

 

私はこのことをこの本で知り、
どうして、うつの方が般若心経や瞑想で良くなるのかがわかりました。

 

瞑想の呼吸も、般若心経を唱えるのも写経するのも、
基本、自分の好きなリズムで行うことができます。

 

 

だから、セロトニンの量が増え、安定するんです。

 

 

噛むという行為も同じ効果があります。

 

 

元気な人って、やっぱり、ご飯をたくさん食べているイメージですよね。

 

 

そして、それは正しいんです。

 

 

いろんなものを少量ずつ食べていくという日本の和食の朝食スタイルは、
実に理にかなった食べ方なんです。

 

 

ちなみに欧米ではパンを食べますが、
パンだけ、なんてことは少ないんです。

 

 

野菜、フルーツ、スープ、いろんなものを食べます。

 

 

日本人だけです。
なぜか、食パン1枚で朝ごはんを済ませるのは。

 

 

「発達障害」の本をいくつか読めば、発達障害の症状が脳機能に由来することがわかってくると思います。

 

 

では、いったい、どうやって脳を元気にすればいいのか。

 

そうなったときに、この本です。

 

親がお子さんへの接し方を変えない限り、
お子さんが変わることはありません。
(年齢を重ねて落ち着いてはいきますが)

 

でも、接し方をどう変えたらいいかわかりませんよね。

 

そんな時に、こういった本が役に立つんです。

 

 

「発達障害」と名のつく紙の本を、何冊読んでもいい方法はのっていません。

 

こういった脳に対する本や、栄養に関する本を読むことで、
今、目の前のお子さんにやってあげられることが浮かんでくるはずです。

 

 

ぜひ、「発達障害」の本を2〜3冊読んだら、こういった本を読むようにしてください。

 

では、この『脳からストレスを消す技術』の3つの良さをまとめます。

 

 

1、ノウハウが簡単

 

書いてあること、
脳の仕組みやストレスの感じ方などは、非常に専門的で詳しいんですが、
どうやってストレスを消せばいいか、ノウハウ自体は簡単です。

 

 

文章を読み飛ばしても、
ノウハウだけでも、
わかりやすいのがいいですね。

 

2、「なぜ」がわかる。

 

人が人をいじめるのはなぜか。
人がキレやすくなるのはなぜか。

 

サイコパス、発達障害、
そういった言葉に逃げるのではなく、
脳で何が起こっているのか、を丁寧にわかりやすく教えてくれます。

 

 

3、セロトニン

 

セロトニンがいかに大切かがわかります。

 

セロトニンだけではなく、
人間がどう生きればいいのか、
それがよくわかります。

 

人間は常に連続の中で生きていることがわかり、
お子さんの生き方、朝起きてから眠り、そのあと、また目覚める。

 

 

この流れの大切さを理解することができます。

 

 

 

買ってよかった??

 

出会えて良かったです。

 

私自身、脳の働きを良くする、
発達障害を改善するというのは、そこまで特別なことをしなくていいと思っています。

 

それが、なぜなのか、
この本を読んで、すっかりわかりました。

 

人の気持ち、感情、脳、
そのすべてはつながっていて、
本当に小さな、でも、毎日の繰り返しが、大きな差になって子どもたちの症状として出てくる。

 

これが分かったのが大きいです。

 

 

デメリットはある??

 

セロトニンについて詳しいっていうのは、
話が長い、っていうのと同義語ですので、
そこをどう感じるかですね。

 

前置きが長いので、
ノウハウを読むと、え?これだけ?となるかもしれません。

 

 

 

まとめると・・・・

 

 

ノウハウが具体的で、今すぐにできることなので、
誰が読んでも、意味のある本だと思います。

 

 

ただ、簡単であったり、シンプルなものだからこそ、
納得して続けることができるのか、ここがポイントになります。

 

発達障害をなんとか改善させてあげたい、
そう思っているなら、この本を読んで、お子さんのために何ができるかを考えてあげてください。

 

脳からストレスを消す技術 セロトニンと涙が人生を変える (サンマーク文庫) [ 有田秀穂 ]

管理人からのお知らせ