発達障害だとはっきりと診断されないんですが・・・・
発達障害だとはっきりと診断されないんですが・・・・
(複数のお母さんより)
『発達障害だとはっきりと診断されないんですが・・・・』というのは、
複数のお母さんより、いただく相談です。
今回は、子どもを持つお母さんからいただく相談について、です。
1人ではなく、
けっこうな数でこの相談はいただきます。
そして、みなさんが、混乱するのが、お医者さんのこんな言葉です。
「もっと、年齢が上がらないと発達障害かどうか判断できない」
「もっと、年齢が下の時じゃないと発達障害かどうか判断できない」
という言葉です。
え?ってなりませんか?
何を信じたらいいの??って。
年齢が上じゃないと発達障害かどうか判断できないっていうのと、
もっと、年齢が下じゃないと発達障害かどうか判断できないっていうのは、
全く逆の言葉ですよね。
でもね、少し発達障害の勉強をすれば、
もっと、年齢を重ねないとわからないっていうお医者さんの言葉もわかりますし、
もっと、年齢が下じゃないとわからないっていうお医者さんの言葉もわかります。
お医者さんひとりひとりが違うように、
お子さんひとりひとりの症状が違うように、
私の意見がすべて正しいわけではありません。
ただ、この矛盾するお医者さんの言葉に、
1つの答えは、私の知識で出せると思うんです。
まずは、「もっと、年齢が上がらないと発達障害かどうか判断できない」という言葉です。
発達障害には、明らかに、知覚的な障害、または、LDと呼ばれる学習障害などのように、
はっきり診断できるものがあります。
一方で、社会的なコミュニケーション能力が足りないという発達障害があります。
自閉症スペクトラム障害なのか、ADHDなのか、
そして、これらは、小学校の間では見られても、中学校、高校へ行くと少しずつなくなっていく子も多くいます。
小学校高学年で、
ちょっと勉強が苦手だから、
ちょっと変なところがあるから、
ちょっとまわりに嫌われやすいから、
というところがあって、
不安だから、病院を受診され方は実は多いです。
お母さんが、「この子ちょっと変だな?」と思われている時点で、
発達障害であることは、ほぼ間違いないと思います。
ただし、診断されるかどうかは別の問題です。
お医者さんも診断するからには、「治療」もしくは、「定期検診」しなくてはいけなくなります。
そして、私は、この診断するかしないかは、お子さんの症状そのものではなく、
お母さんの態度をお医者さんは見てるんじゃないか?と私は思っています。
はっきり言葉にしますが、面倒くさそうなお母さんの場合、
お医者さんが「判断ができない」という便利な言葉で、あなたから逃げているんじゃないか?と私は思っています。
「診断がもらえませんでした」というお母さんの共通点が、
病院で見てもらって、【病院でお医者さんがなんとかしてほしい】っていう気持ちが透けて見えるんですよね。
でも、発達障害の本当の治療・改善は、
お父さん、お母さんに変わってもらう必要があります。
もちろん、診断をもらえない方の一部は、そこまで神経質にならなくていいのに、お母さんが心配症で、
発達障害を勝手に疑っているということもあります。
そういうことではなくて、
やっぱり、「ちょっと変」なことが明らかなのに、
お医者さんから「発達障害ではない」ということではなくて、「判断できない」「まだ、診断できない」という場合は、
お子さん自身ではなく、お母さんが避けられている可能性があります。
この「もっと、年齢が上がらないと発達障害かどうか判断できない」というのは、
コミュニケーション能力になんらかの問題があるかどうかは、中学校、高校に入ってからじゃないとできない。
人として普通にできるはずのコミュニケーションスキルになんらかの問題があるかどうかは、
上の学年に行かないと判断ができないということがあります。
そして、こういった診断をされるお子さんのお母さんの何割かが、お医者さんにとって「面倒くさい」タイプの親。
自分の子どものことなのに、
子どもの問題を誰かに解決してほしい、という姿勢でいるのがわかるお母さんであることがあります。
中学生、高校生のお子さんの場合、
お父さん、お母さんがご自身の発達障害に気づき、ご自身が変わっていくっていう姿勢がないと、
なかなかお子さんの発達障害は改善しません。
遠回しに、お母さんが、お医者さんに断られている場合がある、というのは頭に入れておいてください。
次に、
「もっと、年齢が下の時じゃないと発達障害かどうか判断できない」という場合です。
これは、
学習障害や、
強い自閉症の行動、
明らかな知的障害が見られる、
そういう診断が得意なお医者さんの場合に多いように思います。
そういう診断はほぼはずれませんし、
治療方法やサポート方法もある程度の「形」ができています。
お医者さんがサポートや治療がしやすいんですよ。
普通、発達障害の診断は、2〜3のクリニックにかかったり、病院に行ったり、
すぐにすっと診断されないものです。
あなたもお医者さんの立場になればわかると思いますが、
風邪やインフルエンザと違い、
ひとりひとりのお子さんの症状、
1つ1つの家族の問題、
これらを紐解いていかないと発達障害の本当の問題の解決にはなりません。
これはすごく大変で、
しかも、1つ治療が失敗したり、上手くいかないと患者から責められるわけです。
星野仁彦先生などの診療の様子などを本で読むと、
本当に時間をかけて治療されていることがわかります。
そして、星野仁彦先生自身もストレスで癌になってしまいます。
それくらい発達障害の治療は、
治療されるお医者さんにも、負担が大きいんですね。
だから、はっきり診断できるもの以外、診断をしないっていうお医者さんもいます。
各都道府県にある発達障害支援センターの中の1部には、
中学生以上になると、発達障害の診断が正確にできない場合があります。
という但し書をするセンターや、センター併設の病院でもあるんですね。
「もっと、年齢が下の時じゃないと発達障害かどうか判断できない」と言われた方は、
他の病院やクリニックを気にせずに受診してみましょう。
そして、こちらもやはり、最終的には、
お父さん、お母さん、ご自身が「変わる」という気持ちが大事です。
認めたくないと思いますが、
お子さんの発達障害の症状が出ている場合、原因は、お父さん、お母さんにあります。
それは、「遺伝」や「しつけ」の問題だけではありません。
お子さんを苦しめるつもりはなくやっていることが、
お子さん自身も気づかずに、発達障害を引き起こしていることがあります。
だから、お父さん、お母さんが、勉強をして、
自分自身が変わっていくと覚悟しない限り、本当の意味でお子さんの発達障害を改善することはできません。
発達障害の診断が上記2つの理由で診断されない場合は、
発達障害の診断をしてくれる病院を探すのと同時に、
ご自身が発達障害の勉強をし、自分自身も子どものために変わる。
そう心に決めてほしいと思います。
偉そうに聞こえるかもしれませんが、
たくさんの子どもと接してきた私の経験から、お子さんの発達障害を改善できるかどうかは、
お父さん、お母さんに、自分が変わる気持ちがあるかどうか、にかかっていると思います。