発達障害を治さないままのデメリット・その1
発達障害を治さないままのデメリット
発達障害を治さないままでいるとどうなるか?
それは、「未来を変えるために今がある」、
ということを理解しないままの子が多いということです。
ミスターチルドレンの曲に、「ヒカリノアトリエ」という曲があります。
その2番の歌詞に、
過去は消えず
未来は読めず
不安が付きまとう
だけど明日を変えていくんなら今
今だけがここにある
という歌詞があります。
発達障害を治さないままだと、
このことを理解しないまま大人になっていきます。
発達障害のお子さんは目の前の「楽(らく)」だけをできるだけとろうとします。
これは、発達障害の世界ではこんな風にいわれます。
興味のあることに一生懸命になる、です。
確かに、興味のあることには熱心に打ち込む面はあります。ただし、一流にはなれない子が多いんです。
なぜなら、興味のあることは、他の物事よりは一生懸命にはしますが、その一生懸命さも、普通の子には負けるからです。
たとえば、卓球が好きなお子さんなら、
それなりに練習に打ち込みますが、「卓球の試合」だけを何度もします。
基礎体力をつけるために走りこんだり、
地味な反復運動を繰り返したり、などはしません。
卓球に必要な体の強さを手に入れる練習は、ほとんどしません。
起業家になろうが、
サラリーマンになろうが、
芸術家として生きていこうが、
どこかで、誰かに勝たなくてはいけません。
長い目で見た時に、負け越す相手がいたとしても、
どこかでは勝つ必要がある。
生きていく上で、それは絶対に必要なことです。
そして、勝つためには、「好きなことだけ」をし続けるわけにはいきません。
必要であれば、面倒なこと、嫌なこともする必要があります。
卓球であれば、走り込みや、食事によるけがに強い身体づくり、生活のリズムをつけるために、他の好きなことを諦める、などが必要になってくるでしょう。
このように、こうなりたいと思っていても、
その将来のために今、どういう行動をするべきか、ということを「考える」ことができません。
それが発達障害の特徴だ!
と言われればその通りですが、
だからこそ、発達障害を治す!発達障害を改善する!という気持ちが大事なんです。
私が見てきた中学3年生の例で言えば、こんなケースがありました。
北野綾香さんは、口癖はいつも、中学3年になったら、がんばる!でした。
中学1年も、2年も、そうやって勉強から逃げてきました。
でも、高校受験は、中学1〜3年の内容を問われます。
もちろん、1〜2年生の土台がないので、
それを考慮して、こちらは、指導計画を考えます。
それでも、「集中できない」「やる気が起きない」「明日やる」とスマホを触りながら、先延ばしにしてしまいます。
本来は頭のいい子でしたが、
まわりの子にどんどん抜かれ、
ついには、真ん中の下くらいになってしまいました。
それでも、本人は中学1年生の時の、自分がまわりよりできたことをずっと覚えていて、私は本気を出せば人よりできる!と思いながら、人より努力が続かず、人との差が広がる、という現実がやってきました。
発達障害のお子さんは、このように嫌なことを先延ばししに、どんどんできないことが増えていって、高校受験などの大事な時には、もう、どこから手を付けていいかわからない状態になっているケースが多いです。
嫌だから逃げ出す。
もちろん、いじめやブラックな企業の職場からは逃げ出せばいいんです。
だけど、つらいことや苦しいことやりたくないことをやらなくてはいけない時期というのはありますし、その経験が、本当に好きなことややりたいことをやり抜くときに力になると思っています。
発達障害を放置したままだと、子どもは刹那的に生きる動物のようになってしまいます。
小学校の高学年くらいから、できるお子さんだと将来のためにということで、今の行動を選択できるようになります。
だから、どんどん前に進みます。
一方で、「楽(ラク)」なことばかり探すお子さんは、
ずーっと同じところにいたがりますから、自分よりできなかった子にすらどんどん抜かれていきます。
この差は、小学校の高学年、中学、高校とどんどん大きくなり、逆転不可能になる場合もあります。
どうか、お子さんの未来のために、
発達障害は治す!と心に決めて、あなたの大切なお子さんのために勉強という行動を起こしてくださいね。
発達障害を治す、改善するというノウハウはたくさん出ています。
それを勉強するんだ!と思えるかどうか、ここがお子さんの発達障害をなんとかできるかの分かれ目です。