連立方程式の文章題を発達障害のお子さんが解くならA
連立方程式の文章題を発達障害のお子さんが解くならA
こちらでは、
値段と個数の連立方程式の文章題の解き方を解説しています。
今回は、
距離・速さ・時間の連立方程式の文章題の解き方を解説していきます。
まずは、
距離速さ時間の関係をおさらいしましょう。
速さ×時間=距離
距離÷速さ=時間
距離÷時間=速さ
となります。
連立方程式の文章題の中で、
基本的に使用するのは、
速さ×時間=距離
距離÷速さ=時間
この2つになります。
速さをもとめる式は、あまり使わないので、
まずは、この2つを意識してください。
では、パターンごとに、
式の作り方を確認していきます。
距離、速さ、時間の問題では、
基本的には、わかっている情報は、距離を求める問題でも、時間を求める問題でも同じです。
合計の距離、合計のかかった時間、そして、速さがわかっています。
だから、きちんと、距離をXとYとするのか、
時間をXとYとするのか、そこを必ず確認してください。
パターン@「距離をもとめる場合」
A町からC町まで31q離れています。途中のB町までは、自転車に乗って時速15キロで走り、B町に行ってからは、
C町まで、時速8キロで歩いたところ、3時間かかりました。自転車で進んだ距離と、歩いた距離をもとめなさい。
というパターンの場合、
こうなります。
X+Y=31
X Y
― + ― = 3
15 8
となります。
距離を出す場合、分数が出てくるんですね。
これがやっかいです。
ただ、式のつくりかたのパターンは、これだけ。
X+Y=距離の合計
速さ分のX+速さ分のY=合計の時間
となります。
次に、パターンAにいきます。
パターンA「時間をもとめる問題」
問題文は、同じものでいきます。
A町からC町まで31q離れています。途中のB町までは、自転車に乗って時速15キロで走り、B町に行ってからは、
C町まで、時速8キロで歩いたところ、3時間かかりました。自転車で進んだ時間と、歩いた時間をもとめなさい。
設定はおなじですが、XとYが、時間にかわりましたね。
式はこうなります。
15X+8Y=31
X+Y=3
時間を出す場合は、分数になりません。
速さ×+速さY=合計の距離
X+Y=合計の時間
もとめなさいと言われてるのが距離であれば、
X+Y=合計の距離
それが、時間であれば、
X+Y=合計の時間
となります。
X+Yを、まず作るんだ、というところから教えてあげてください。
連立方程式の文章題で、発達障害のお子さんがつまづくのは、
分数になったり、ならなかったりするからです。
パターンが1つではないので、混乱します。
だから、最初から、このパターンとこのパターンがあると教えておくんです。
連立方程式の文章題に応じて式をつくる、というのではなくて、
あらかじめ、こういうパターンのが出てくるから、どのパターンになるか、確認しよう、というスタンスでいきましょう。
そうすると、混乱が少なくてすみます。
特に、距離・速さ・時間をもとめる問題は、
問題文が変わらず、わかっている情報も同じなり、式だけが変わります。
パターンの演習が必須ともいえますので、
じっかり、復習させてあげてください。
さて、ここでは、応用パターンの1つを紹介しておきます。
速さ、つまり、時速、分速が出てくると、
こんな風になります。
パターンB「速さの単位が違う」
A町からC町まで31q離れています。途中のB町までは、自転車に乗って分速250mで走り、B町に行ってからは、
C町まで、時速8キロで歩いたところ、3時間かかりました。自転車で進んだ距離と、歩いた距離をもとめなさい。
パターン@でも、Aでも、出てくる可能性があります。
はい、分速と時速が混ざってくるパターンですね。
今回は、合計の時間を3時間としていますから、
分速250mを、時速にしなければいけません。
また、時速の場合、mという単位ではなく、
qという単位を基本的にはつかいますので、ここも変える必要が出てきます。
分速から時速に変えるには、
250×60をします。
これで、15000mになりますので、
ここから、qという単位に変えるには、1000で割ります。
そうすると、時速15qとなります。
これで、やっと、解けます。
連立方程式の文章題は、こういう単位にかかわるようなことも、
平気でいれてきます。
連立方程式の文章題の力を見たければ、
式をつくれるようにだけなればいいのに、
そこに、こういう応用を入れてきます。
ほとんどの中学校の先生は、連立方程式の文章題にパターンがあることを教えません。
もう、昔にならったのだから、
分速、時速への単位をいれかえることなどできて当たり前、という感じですすみます。
だから、パターンを意識して、勉強が苦手な子は取り組む必要があるんです。
また、距離・速さ・時間の問題は、他にもパターンがありますので、
次の記事で確認していきたいと思います。