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怖い発達障害の具体例は?その1【発達障害初心者ガイドB】

怖い発達障害の具体例は?その1【発達障害初心者ガイドB】

 

 

 

ここでは、私が考える怖い発達障害の子どもの話をしていきたいと思います。

 


 

※ここからは、理恵さんというキャラクターが、
私の塾で働いたという形で話をすすめていきたいと思います。

 

 

 

さて、私の塾で、働いてみて、
理恵さんの中で、思うことっていうのがいろいろあったんじゃないかな。

 


 

 

 

そうですね。
想像以上に、教育の現場は大変になっているなと感じました。
私の中で、まず、気になったのが、
AO入試を受けるために、自己PRの文章とか、エントリーシートの志望動機、
それから、課題のある小論文の指導を受けている高校3年生の女の子が印象的でした。

 


 

 

 

ああ、西野ミドリ(仮名)のことかな。
高校になって、成績が下がってしまって、私の塾に来た子だね。
あれは・・・・ひどかったね。

 


 

 

 

そうですね。
18歳になるのに、まず、ほとんど、自分で文章が書けなかったのが印象的でした。
書けなかったというか、書こうとしなかったという感じでしたが。

 


 

 

 

そうだね。
ただただ、「わからへん」とわめくだけで、
担当の先生が、じゃあ、こんな感じで、こういう流れで、って、
本来彼女が考えなくてはいけない、自己PRの内容だとか、大学への志望動機、
小論文の内容、全部、担当の先生がやっていたね。

 


 

 

 

横で見ていてイライラしたんですけど、
ああいう子って増えているんですか?

 


 

 

 

増えてはいるね。
私も含めて、担当する人はみんな、面倒だから、もう文章の組み立てから中身まで、
教えることが多いけどね。

 


 

 

 

そんなので、大学に受かったりするんですか?

 


 

 

 

大学によるけど、まあ、ほぼ受からないね。
だって、その子が心の底から書いたものじゃないんだから、
AO入試なんだから、面接でボロが出るし、文章にも、その人の「熱」がないから。

 

よっぽど経営に困っている大学以外は落ちちゃうよ。

 


 

 

 

でも、その子が通っている高校ってそれなりに地元では有名な高校ですよね。

 


 

 

 

うん。
偏差値でいうと60くらいだね。
でも、彼女は、内申点がよくて受かったという典型だね。
今の公立の中学校は地域によっては、大人しいっていうだけで、いい内申点がもらえるから。

 

その内申点の問題はおいておいて、
こういう後発型の発達障害の子のほうが、人生で損をするケースが多いと思う。
ヤフーのニュースでも、
先天的だったり、まだ、早い段階で発達障害を自覚した人と、
高校・大学・社会人で、発達障害がわかってきた人では、後者のほうが自分もまわりも苦しむっていうのが、
明らかになっているらしいんだ。

 


 

 

 

確かに、西野ミドリ(仮名)さんを見ていると、
この先、1人で大丈夫かなって心配になりますね。

 


 

西野みどり(仮名)さんのプロフィール

 

 

高校からサイト管理人のひろあが務める塾へ。
中学校では上のほうの成績だったが、高校に入って急落。
赤点は最高8教科取るまでに至る。
自分で考えるのが苦手で、テスト勉強も指示通りにしか勉強できない。
口癖は、「でもな、もっと、できひん人もいるで」
高校性だが、塾の途中に、寝てしまうこともよくある。

 

大学のAO入試は当初受けないと言っていたが、
急に、友達も受けるから自分も受けると言い出す。

 

AO入試に必要な、
志望動機、自己PR、課題の小論文に3週間かかり、やっと完成する。

 

 

 

普通の偏差値60程度の高校に行っている、高校3年生なら、稚拙な文章にはなっても、
この3つは「自分で仕上げてくる」。
それから、誤字脱字や書きすぎているところ、書き足りないところをこちらが指示して、
書いてもらうんだけど・・・・

 

この子に関しては、ほぼ担当の先生が全部決めていたね。

 


 

 

 

そうですね。
私も隣で授業をしながら、聞いてたんですけど、
1つ1つ、書き出し、次に書くこと、次に調べること、すべて指示していましたね。

 

しかも、それだけ、指示されていても、
なかなかできないし、やろうとしない、
驚いたのが、それが「普通」だと思いこんでいることですね。

 

私は悪くない、みたいな。

 


 

 

 

うん。
お兄さんは、大学生で、ゲームにはまってしまって、ほとんど引きこもりみたいになっているそうだから、
おそらく、遺伝的にも、発達障害になりやすいものはあると思う。

 

この「自分の頭で考えられない」「自分で考えて自分で答えを出す」ということができないのが、
後発型の発達障害の特徴なんだ。
発見する方法、気づくきっかけとしては、
それまではそれなりに優秀だったのに、高校に入って、
もしくは、良い私立中学に入ると、どちらかというと落第生になってしまうっていうことなんだ。

 


 

 

 

それまでは、どちらかというと優秀な人間、よくできる側にいたということですね。
だから、発達障害である可能性が見落とされてしまう。
しかも、本人も発達障害っていう事実を受け入れないでしょうし・・・・

 


 

 

 

うん。この場合に怖いのは、
親も、「もう、高校性なんだから自分でやりなさい」っていう姿勢になってしまうことだね。
本人の努力不足というように見えてしまう。

 

指しゃぶりが取れない、
宿題が出せない、
朝が圧倒的に弱い、
みたいに、早期に発見できる発達障害の兆候があるのは実はすごくいいことなんだ。

 

でも、この西野ミドリ(仮名)産の場合は、
一見すると、頭がいいように思う。
勉強がついていけないのも、本人ではなく、学校が悪いっていうように、
本人も親も思ってしまうんだ。
もしくは、本人の努力不足だと思うんだ。それは、親も本人も。「頑張ればできる」って思いこんでいる。
この「努力すればできる」と思っているのが怖いことなんだ。
もっと、根本的な問題なんだけどね。

 


 

 

 

なるほど。
彼女の話を聞くと、自分が点数を取れないのは、
すべて学校の先生のほうって感じでしたね。

 

高校は義務教育じゃないんですから、
先生の授業がわかりにくかったら、自分で工夫してわかるようにする努力が必要ですもんね。

 


 

 

 

うん。
その、「自分で工夫する」ができないんだよ。

 

これが問題なんだ。

 

西野ミドリ(仮名)さんのようなタイプが発見されにくいのは、
言われたことは「できる」からなんだ。

 

中学くらいだったら、塾で言われたことだけをしていれば、点が取れるからね。
それが、高校に行くとそうじゃない。
高校は、基本的に自分で考えてしていかないといけない。
塾ですべてフォローしようと思うと、すごい金額になってしまう。

 

だから、
ここで、できる子とできない子の差が一気に開くんだ。
開くんだけど、自分が中学の時はいい成績だった、というプライドや実績が邪魔をして、
それを認められない。

 

「やってないだけ」と自分を正当化して、その正当化のために、
ちゃんとした努力をしないっていう悪循環にはまってしまう。

 

そして、それは、学校が悪い、まわりが悪い、「だって、わからへんもん」「だって、できひんもん」
という、考えや言葉に置き換えっていく。

 

で、結局、妥協だらけの人生を選んでいくことになるんだ。

 


 

 

 

なるほど。
確かに、彼女がAO入試を受ける●●大学は、偏差値でいうと、40〜45ですもんね。

 


 

 

 

そうなんだ。
そして、彼女がそこを志望する理由も、友達が行くから、になってる。

 


 

 

 

あ・・・・
つまり、せっかくいい高校に行っても、
結局、ついていけないもの同士で集まって、1人じゃないからっていう理由で、
楽そうな大学を受けることを正当化していくんですね。

 


 

 

 

その通りだよ。

 

私は、偏差値がいい大学がいい大学だということを言いたいんじゃないんだ。
彼女が選ぶ理由が「友達が行くから」という、
自分が何をしたいのか、将来どうなりたいのかを考えずに、人についていくっていう、
楽な方に流れているのが問題なんだ。

 

中学でいい点とれたのも、誰かに用意してもらったことをやっていただけ。
高校で赤点を回避したのも、塾のおかげ。
そして、入試の文章すべても、塾が用意してくれたおかげ。

 

そうやって、気づかないうちに、
何にもできない空っぽの人間になってしまうんだ。

 


 

 

 

そうですね。
彼女は、それだけやってもらいながら、「ありがとう」の一言もなかったですし、
さらに、最悪だなって私が思ったのは、
「もし、できなかったら、休みの日に先生、塾に出勤して」とまで言ってましたね。

 


 

 

 

うん。
そうやって、まわりの信頼を失っていくのも、彼らの特徴なんだ。
だから、後発型といわれる発達障害は怖いって言われる理由なんだ。

 

本人は気がつかないうちにまわりから呆れられて、
実力がある人からは距離を置かれて、

気がつかないうちに、下へ下へと流れていってしまう。

 


 

 

 

そうなるとどうなるんですか?

 


 

 

 

私が見てきた例だと、
いい高校に行って、結局、大学は短大に行ったお母さんは、
職場で鬱になっていたね。

 

仕事ができないのに、プライドだけは高いから、職場でかなりひどい扱いを受けたみたいだね。
そして、そのお母さんの子どもさんは、
私の塾に来ていたんだけど、お母さんのことを「あいつ」とか「あの人」って呼んでいたね。

 

 

その人の例は極端だけど、
その人は結局、仕事場でも、家の中でも誰もその人を慕う人がいなくなったっていう状態になってしまったんだ。

 

 

いつか家族だから、分かり合えるかもしれないけれど、
子どもの心はかなり離れていたから、長い間、つらい思いはしなくちゃいけないかもしれない。

 

お母さんが鬱だから、その子どもは、
毎日、きちんとご飯も食べられず、子どもも、つらい思いをしていたね。

 

ご飯を世話するとかは、塾の仕事じゃないし、
その子だけ特別ということもできないから、とても歯がゆい思いをしたのを覚えている。

 

発達障害についての勉強をしていく中で、
すべては繋がっているってことがわかっていったんだ。

 


 

 

 

なるほど。
学歴がすべてじゃないけれど、
それなりにいい高校に行っていたのに、
次の進学先がガクッと落ちた場合、隠れた発達障害の可能性があるわけですね。

 

だから、自覚したり、気をつけておかないと、
ストレスに弱いから、すぐにダメになってしまう。

 

そういえば、西野ミドリ(仮名)さんも、
少し注意されただけですぐに泣いてましたね。
自分は偉そうに、講師に接しているのに。

 


 

 

 

そうだね。
担当してくれた講師の大学生は、本当によく頑張ってくれたと思うよ。

 

でも、我慢できなくて、声を荒げていたね。
「そこは、お前が自分の考えを書かなあかんねん」って。

 


 

 

 

それは、そうですよね。
それが、小論文とか、自己PRですからね。
それでも、800字のうちの、600字くらいまでは、
ほとんどその先生がやってあげて、
で、最後、自分の考えを書くところになっても、まだ、西野ミドリ(仮名)さんは、
「何を書いたらいいかわからねん」とか、その先生に向かって逆ギレしてましたからね。

 

ほんと、ダメな子だなってまわりから見てました。

 


 

 

 

うん、発達障害を持つ人は、ストレスに弱いから、
できないことがあるとすぐに怒ったり、泣いたり、感情的になってしまうんだ。

 

その大学生もかなり我慢して、言ってくれていたけど、
高校生にもなってすぐに泣いてしまう。

 

よく耐えてくれたと思うよ。

 


 

 

 

そうですね。
「できひんから教えて」
「だって、できひんねんもん」
「何書いたらいいかわからへんし」
言葉遣いも汚いですし、
高校3年生にもなって、自分なりの言葉を1行すら書けない子ですからね。

 

それを、自分が悪いんじゃなくて、すべて他のところにできない理由があるっていう感じで。

 

私自身も横で見ながらイライラしていました。

 


 

 

 

そうだね。

 

西野ミドリ(仮名)さん自身は、彼に甘えているから、悪意とかはないんだけど。
それを受けるほうは、嫌いになるよね。

 

親じゃないんだから。

 


 

 

 

あ、もしかして、この距離感の取り方の「おかしさ」も、
発達障害の特徴ということですか?

 


 

 

 

うん。そうかもしれないし、愛着障害の1つの形かもしれない。
この辺の境目の判断は専門家でも難しいんだけど、
結局、西野ミドリ(仮名)さん自身の家族が、発達障害になりやすい傾向にあって、
もしくは、お父さん、お母さんのどちらかが発達障害で、
見た目には、問題ないようでいて、家族内の子どもとの接し方や家族が少しずれている可能性はあるね。

 

岡田尊司さんの『愛着障害』という本に詳しいから、その部分はそこに譲るね。

 


 

 

 

普通だと思っていても、
実は、隠れた発達障害だった。

 

こういう話は多いんでしょうか?

 


 

 

 

多いと思うよ。
結局、これが「大人の発達障害」って言われるものになるんだと思う。

 


 

 

 

そうなんですね。
何か、解決策というか、こうならないための方法っていうのはあるんでしょうか?

 


 

 

 

自覚と勉強、これしかないんじゃないかな。

 

この西野ミドリ(仮名)さんはお菓子も大好きで、
家に、たくさんのお菓子があると言っていた。
好き嫌いも多いって言っていたし、家で栄養面からのフォローは絶対に必要になってくるね。

 

中学、高校で、急にできない面が見えてきたら、
お父さん、お母さんは、自分が発達障害かもしれない、自分の育て方、特に栄養面で、
見直さなければならないところがあるんじゃないかと考えてほしい。

 

そして、自分で勉強して、改善方法を見つけていくしかないんだ。

 


 

 

 

本人よりも、親、ですか。

 


 

 

 

お子さんが学生なら、やっぱり、親が変わるのが一番早い。
子どもが、発達障害だと言われても、どうしたらいいかわからないし、
この子の場合、おそらく、診断は出ないかもしれない。

 

栄養治療をしてくれる病院やクリニックを受ければ、
血液で体内の栄養は検査してくれると思うけど。

 


 

 

 

そうですよね。
まだまだ、心も未熟なのに、
いきなり発達障害の知識を身に着けて、それを受け入れていくのは、
高校3年生でも、厳しいでしょうね。

 


 

 

 

うん。
高校3年生ならしっかりしている子も多いけど、
発達障害を持っているだろうという子は、精神の発達も未熟になりやすいから。
だから、お父さん、お母さんの出番になるんだ。

 

大変だとは思うけど、受け入れて、乗り越えていく。
これは、お子さんのためにもなるけど、

将来的な引きこもりなどを防げるから、親のためにもなると思うんだ。

 


 

 

 

そうですね。
このサイトでは何度も、発達障害の治療・改善は、
家族を生きなおすこと、とひろあさんも仰ってますし、
家族で、課題を考えて、勉強して治していくしかないんですね。

 


 

 

 

そうだと思う。
このサイトでは、本やイーブックのレビューをしているから、
ぜひ、参考にして、大切なお子さんと家族の未来を守ってほしいと思うんだ。

 

 

発達障害を自覚して、もう一度、家族を再生する。
もう一度、家族を生きなおす、それが子どものためだし、家族のためだと思うんだ。

 


 

 

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