世界の発達障害の研究その27「環境と発達障害に関する2つの研究」
大気汚染が発達障害の発症と関係があることを示唆する論文について
日本語タイトル
「近隣環境曝露と注意欠陥/多動性障害の発生率:人口ベースのコホート研究
英語タイトル
「Neighborhood environmental exposures and incidence of attention deficit/hyperactivity disorder: A population-based cohort study」
引用元
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35144157/
この論文の結論としては、
「私たちは、大気汚染の少ない緑豊かな地域に住む子供たちは、大気汚染が高く、緑地への露出が少ない子供たちと比較して、ADHDのリスクが大幅に低いという環境の不平等を示唆する証拠を見つけました。」とあります。
「緑地はADHDの発生率の低下と関連していました」とあり、
大切でもあり、怖い指摘だなと感じました。
私自身も、塾講師として、
いくつかの場所で働きましたが、
大きな道路に面した地域のお子さんたちの多くに、
発達障害の症状がみられるなと感じています。
また、こういう論文もありました。
引用元
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31629172/
日本語タイトル
「自閉症およびADHDの潜在的な危険因子としての大気汚染への出生前曝露」
英語タイトル
「Prenatal exposure to air pollution as a potential risk factor for autism and ADHD」
引用
「この研究は、出生前の大気汚染への曝露と自閉症スペクトラム障害との関連性を示す証拠の増加に貢献しており、現在のWHOの大気質ガイドラインを下回る出生前の曝露でさえ、自閉症スペクトラム障害のリスクを高める可能性があることを示唆しています。」
つまり、世界基準を下回る地域でさえ、
大気汚染により発達障害のリスクは上がるという指摘です。
では、田舎にいけばいいのかというと、
田舎こそ、交通量が多かったりと、
大気汚染にもいろいろありますが、どこにいっても、なんらかのリスクがあるということになるなと思います。
こういうリスクをすべて避けて通ることはできません。
なので、お子さんが生まれてから、
家族になってから、どうするか、ということ。
そのための知識をしっかり身に着けていくこと。
それが大切だと思います。