熟睡の習慣レビュー〜睡眠不足が続くと発達障害になる理由とは?
『スタンフォード式最高の睡眠』の西野精治先生の書くもう1つの睡眠の話。
という感じの本です。
書籍データ
タイトル:スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣
著者:西野精治
出版社:PHP
発行年:2019年1月29日
169ページの記述をそのまま引用させていただきます。
『成長過程の子どもに睡眠障害、眠りのトラブルがあると、脳の発達に異変をもたらすことがあります。
イライラしたり、キレやすかったり、授業中、ちゃんと席についていられなかったり、先生の言うことを理解できなかったり、いわゆる「注意欠陥多動性障害(ADHD)」や「学習障害(LD)」などの症状と似た状態になることがあります。
「似た状態」といったのは、それをはたして発達障害と同じだと特定していいかどうか、たまたま症状が似通っているだけか、まだよくわからないからです。
注意欠陥多動性障害と診断されていたけれど、実は睡眠時無呼吸症候群があって、その治療をしたら、障害とみられていた症状が改善した、という症例も数多く報告されています。』
そして、これの怖いところは、
子どもがどんどん夜型になり、睡眠時間自体が短くなっているこの状況はデータがなく、
どういう影響が子どもに出るかわかっていないことだといわれています。
つまり、この新しい変化、そして、良くない変化は、データがなく専門家でも「わからない」状態なんです。
『「子どもの発達障害」に薬はいらない』の井原医師も、
睡眠をきちんととるようにしただけで発達障害の症状が改善したと報告しています。
私たちはこの事実をきちんと受け止めないといけません。
発達障害と診断される子どもの近年の増加。
睡眠時間の減少はここ20年〜30年の急激な変化でデータがない。
睡眠時間をきちんととると発達障害の症状が改善。
睡眠時無呼吸症候群の治療をすると発達障害の症状が改善。
つまり、睡眠の質を上げることと、
発達障害の症状が改善することがつながっているんですね。
そして、たとえ、発達障害と診断されるとしても、それははたして本来の意味での発達障害なのか?
という問題もあるということです。
この本が投げかける現代社会の問題にもっともっと私たちは関心を向けないといけない。
そう思います。
では、この本のポイントを3つ。
1、質
質の良い睡眠とは何か?
これがわかります。
単純に7時間眠れ、とか、夜の10時から深夜2時までがゴールデンタイムだとか。
そういう話ではありません。
- 人間の眠りとは何か?
- 人間はどうやって眠りにつくのか?
- その眠りをどう導くのか?
きちんと生体のデータに基づいて教えてくれますので、
眠りとは何かを理解することができます。
2、具体策
ちょっと昔の専門書っていいことは言うんだけど、
じゃあ、実際にどうすればいいのか??
というところがあやふやだったりしたんですが、この本は大丈夫です。
こういうケースではこうしましょうということがきちんと載っています。
寝る方法だけではなく、
環境が大事だということもわかります。
3、危険
薬の危険性もきっちり書いてくれています。
まずは、勉強し、危険がないところからやっていく。
というのがいいと思います。
睡眠薬がどういうものか。
それを説明できる医師が少ない危険性を指摘します。
睡眠薬を使うのであれば、
どういうものでどういう説明ができる医師がいいか。
それを教えてくれます。
デメリットはある??
体のコンディショニング。
眠りやすい体の状態へのアプローチが少し少ない気がしました。
もしくは、
この2冊のどちらか、あるいは、両方を読むとさらに効果が上がると思います。
買って良かった??
まず、けっこう間違った睡眠の常識を覚えてしまっているなと思いました。
90分サイクルのものとかですね。
睡眠の間違った常識を教えてくれるのが良かったです。
また、やはり、子どもの問題と睡眠は大きくかかわりがあります。
- 発達障害
- 不登校
- 学業の能力の低下
- 運動の能力の低下
これらが指摘されています。
また、お母さんが妊婦の状態で睡眠不足だと・・・・
お子さんの発達障害に関係があるとも言われています。
睡眠は大事。
でも、なんとなくわかっているだけ、ではないですか?
どう大事か。
睡眠をとらないとどんなデメリットがあるか?大きなリスクは何か?
これをしっかり理解すること。
もしも、お子さんがお腹にいるときにお母さんが睡眠不足であったなら、
今のお子さんにいい睡眠をとらせることが最も大切になります。
その力になるのがこの本です。
新書で安いのですぐに手に入れて、しっかり良い睡眠がとれるように気をつけてください。