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『発達障害の改善と予防』のレビューと感想

『発達障害の改善と予防』のレビューと感想です。

 

 

 

タイトル『発達障害の改善と予防』
著者 澤口俊之
出版社 小学館
発行年 2016年2月1日

 

これをレビューするか、どうか、すごく悩みました。

 

なぜなら、この本は劇薬、だからです。

 

著者ははじめにでこんなことを書いています。

 

 

本書にしても、「発達障害に関する現実的な諸問題の対応にはこれで十分」という思いで書きました。本書は専門書ではないので、専門的な問題や議論はあえて簡略化していますが、発達障害をめぐる現実的な問題、とくに改善と予防に関しては本書だけで十分だと思います。

 

 

とあります。

 

確かに、この本は、
改善方法にかなり踏み込んだ本にはなりますが、8歳より年上の発達障害で悩んでいる方、
8歳より年上で、お子さんが発達障害の方には、つらい現実を突きつける本になるかもしれません。

 

なぜなら、8歳より年齢が上になると、
発達障害の改善は難しくなるからです。
不可能という意味ではありません。発達障害はいくつからでも改善は可能です。

 

 

この数字は、ある人には残酷ですよね。

 

 

中学生で、発達障害が初めてわかったとき、
この事実は、あまりに重いと思います。

 

 

誤解がないようにいっておきますが、澤口氏は、
8歳より上になると、発達障害が治らないと言っているわけではありません。

 

ただ、改善に時間がかかる、ということを言っています。

 

そして、これは澤口氏だけが言っているのではなく、
年齢の明言を避ける人もいますが、みなさん、早期の療育が発達障害の治療・改善には望ましいと言っています。

 

 

だからこそ、この澤口氏の正直すぎる内容の本は、
人によっては良薬になりますし、逆に、劇薬というか厳しい現実をつきつけられる人もいるかもしれない。

 

そう私は思います。

 

 

それでも、この本が伝える内容は非常に濃いものであり、
これから発達障害を改善したいと考える人には絶対にプラスになります。

 

だから、レビューに踏み切りました。

 

 

この本の3つのポイントを書いていきます。

 

 

意外に簡単

 

澤口氏の書き方が理屈っぽいので、
どんな難しい改善方法が出てくるのかと思いますが、
やり方は簡単なものが多いです。

 

澤口氏の思いが強すぎるので、
少し、冗長気味な文章ですが、いらない部分は読み飛ばして、
必要なところだけ読めば、やるべきことは非常にシンプルだと気づきます。

 

食事療法にも言及

 

これだけで買う価値があります。

 

他の発達障害の本はここを避けます。

 

このサイトで紹介している2冊のイーブックにはこの部分は劣りますが、
食事の基本はおさえています。

 

これだけでも、かなりの効果があると考えられます。

 

ガイドライン

 

妊娠後からの子どもの発達に応じた支援のガイドラインを、
きちんとまとめてくれています。

 

 

このタイトルに発達障害の予防と改善とあるように、
予防を考えるなら、子どもを出産する前から、
この本を手に入れておくのがいいでしょう。

 

発達障害を予防できるという観点で書かれた唯一の本かもしれません。

 

出産後であっても、
8歳までであれば、どこからでも改善が望めます。

 

ただし、小学校入学前までが、効果が高いようです。

 

以上が、3つのポイントになります。

 

 

 

デメリットはある??

 

 

8歳までの発達障害児を対象としているところでしょうか。

 

それ以上の発達障害のお子さんをお持ちの場合、
逆にこの本は、厳しい現実をさらにつきつけてくるかもしれません。

 

 

でも、澤口氏もこの本の中で何度も言っています。

 

 

「発達障害は改善する」と。

 

 

それだけは忘れないでください。

 

 

結局、買って良かった??

 

 

正直に言います。

 

 

買って良かったです。

 

 

私は職業柄、中学生以上のお子さんと向き合うことが多いので、
やはり、中学生になると、発達障害の改善は難しいということは私にとってはつらい現実でした。

 

 

それでも、澤口氏が発達障害の方と向き合い、
何度も「良くなります」と言って、子どもたちを改善させてきた様子には勇気づけられました。

 

 

私がこのサイトを生む力にもなっている、
必ずどんな人にも、どんな年齢でも、どんな境遇でも、「発達障害は良くなる」という思い。

 

 

その思いを再認識させてくれる本です。

 

 

そして、発達障害を改善させたいなら、
このくらいの知識は持っておかないとダメだと思います。

 

 

本当に発達障害を改善させられる人の共通点は、
ADHD、アスペルガー症候群といった発達障害の区別に、そこまで頓着しないことです。

 

これらは脳機能の障害なので、
結局は、脳機能の改善をしていくしかありません。

 

そこに着目しているので、

 

ADHDだろうが、アスペルガー症候群だろうが、治療の際は気にしません。

 

 

私も何冊も読んできて、
本当に発達障害を改善させてきた人たちは総じて、
発達障害の種類の区別に意味を見出しません。

 

 

ADHDはこうで、アスペルガー症候群はこうだ、みたいな話には、あまり力を入れません。
(しないわけではありません。ただし、意味はあまりないことを知っていらっしゃいます。)

 

 

発達障害の中で本当にいい本ってどんなのだろうと思ったら、
この点に注意してみてください。

 

 

ただし、あえて、ADHDに絞った、アスペルガー症候群に絞った治療方法、改善方法を提示している人もいます。

 

 

それはまた違う話になりますので、注意してくださいね。

 

 

とにかく、この本くらいの知識は頭に入れておくべきです。

 

【詳しくはこちら】

 

発達障害の改善と予防 [ 沢口俊之 ]

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