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『アスペルガー症候群 就労支援編』のレビュー

 

『アスペルガー症候群 就労支援編』のレビュー

 

佐々木 正美 (著), 梅永 雄二 (監修)
講談社
2009年8月26日

 

実は、2009年の本。
私がこの本を読んだのは、2016年。
実に、7年の差があったのですが、
目からうろこが山のようにありました。

 

発達障害の就労支援の現場は、
ここまで進んでいたのかという驚きを与えてくれた本です。

 

 

2009年の本なので、
発達障害で就活に悩んでいる人よりも、
発達障害のお子さんを持ち、その子の将来が不安なお父さん、お母さんに読んでほしい本です。

 

『アスペルガー症候群 就労支援編』ってどんな本??

 

 

講談社から出ている、イラスト・ライブラリーシリーズで、
見開きで、パッとイラストが入っているので、
わかりやすいのが特徴です。

 

また、見開きで1テーマなので、
辞書的に、気になったところを開いて確認するのにもいい、
便利な本です。

 

 

就労支援なんて、ハローワークぐらいしか思い浮かびませんでしたが、
今は、いろんなところで、支援が受けられるのがわかる本です。

 

子どもが成人してつまづいても、
これだけの支援体制があるとわかれば少し安心できるのではないでしょうか??

 

 

では、この本のいいところを3つにまとめてみますね。

 

ネットでは調べにくい情報が一括で見られる

 

ネットでは調べにくい情報が一括で見られるのは書籍ならでは、ですね。

 

私はインターネットがあれば、
必要な情報がすべて手に入ると思っていました。

 

しかし、それは、「間違い」でした。

 

実は、市役所の福祉課や、
地域若者サポートステーションというものなど、
多岐にわたる相談場所、「発達障害に向けて」となっていなくても、利用や相談ができるところが全国至る所にあることがわかったんです。

 

これは、「発達障害」という言葉を検索にかけても、ひっかかりません。

 

そのことがわかりました。

 

それだけでも、この本は十分な価値があると思います。

 

就職だけではなく、就職後の支援にも触れている

 

就職だけではなく、就職後の支援についても、
触れているのが大きな特徴です。

 

就職が大事なのではなく、
就職し、続けられる、ということが大切です。

 

そのあとの発達障害の支援の受け方もわかりやすく載っています。

 

仕事を続けやすくなるライフスタイルも詳しく載っている

 

仕事を続けるには、
支援を受けるだけではなくて、
「仕事を続けやすくする自分のライフスタイル」をつくることが大切です。

 

そのライフスタイルの作り方にも、
細かく具体例・提案がなされています。

 

発達障害でも、
アスペルガー症候群と診断されても、きっと大丈夫。

 

そんな思いになれる本です。

 

 

でも、『アスペルガー症候群 就労支援編』のデメリットもある??

 

 

アスペルガー症候群の人だけに適用されること、と誤解されることでしょうか?

 

これは、ADHD/ADDと診断された人でも、
つかえる「発達障害全般」の就労支援本です。

 

 

最初の部分は確かに、
アスペルガー症候群の症状のケースが詳しくありますが、
就労支援を受けられる施設・サービス、
発達障害を持つ方が、仕事のストレスをためにくい日々のテクニックなど、
発達障害全般に使えるものです。

 

 

タイトルだけを見ると、
「アスペルガー症候群・自閉症スペクトラム」のみの本かと思ってしまいますが、
そうではないっていうところが、デメリットというか、残念なところです。

 

 

購入して良かったところは?

 

 

やはり、「知らないこと」を知れたという部分です。

 

2009年でも、ここまで支援体制が整っているなら、と、
勇気を与えてくれる本です。

 

 

もちろん、地域差はあると思いますが、

 

発達障害支援センターだけ、
病院だけ、
まわりの家族だけ、

 

が、発達障害を持つ方の味方ではなく、
これだけたくさんの方が、味方になってくれると勇気の出る本です。

 

 

発達障害を持つお子さんを持ち、
これからが不安な保護者の方にぜひ手にしてほしい本です。

 

 

アスペルガー症候群就労支援編 [ 佐々木正美 ]

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