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発達障害の怖さ〜徐々に差が広がり、あり得る未来が減っていく

発達障害の怖さ〜徐々に差が広がり、あり得る未来が減っていく

 

 

 

発達障害の怖さといえば、
上手く発達障害を改善させていかないと、お子さんが犯罪に手を付ける可能性が出てくる。

 

 

そういうことがよく言われます。

 

そして、これは事実です。

 

 

 

 

 

発達障害の治療・改善の最前線にいる診療内科医の先生方の本を読めば、
犯罪を犯してしまうか、引きこもりになってしまうか、といった状況になってしまうことが、
よく書かれています。

 

 

そんな極端なところに行かなくても、
発達障害を放っておくことはとても怖いことなんです。

 

 

今回は、塾にいて、発達障害のお子さんを多数見てきた私の立場から、
発達障害の怖さを書いていきたいと思います。

 

 

 

1つは、学力の差、です。

 

 

 

昔ほどではないにしても、
日本ではいまだに、学歴というものの力は強く、
そして、勉強ができたほうが何かと得、という状況はいまだにあります。

 

勉強ができれば、公立高校、私立高校と選べる数が変わり、
私立高校であっても、特待生制度を取れたりして、授業料は無料なのに、
私立高校の手厚い教育を受けられる子もいます。

 

言い換えれば、
私立高校というのは、勉強ができない家庭が、自分の子と特待生を取れる子の授業料まで出しているということです。

 

私立高校だけではなく、革新的・先進的な公立高校にも、多額の税金が投入されています。
つまり、全国民が頭のいい子の学費を出しているということになります。

 

 

言葉は悪いですが、学力が低い子どもを持つと、
自分の子と、他人の子の教育にお金を払っているという状態になるということです。

 

 

発達障害のお子さんは、記憶障害を併発しやすく、
短期記憶、長期記憶ともに苦手で、覚えたことを活用することも苦手です。

 

現在の教育は、考えさせるということに重きを置いていますから、
情報を記憶し、自分の考えを整理し、それを表現することが求められます。

 

 

発達障害のお子さんが最も苦手とするところです。

 

なので、昔以上に、
学力差をつけられてしまう、ということになります。

 

 

そうなると、
選べる進路がどうしても限られてきます。

 

偏差値がすべてではありませんが、
偏差値の低い高校、大学に徐々に追いやられていきます。

 

 

そうなると、選べる職種も限られることになるので、
お子さんが、社会人になったときに、職場がブラックすぎて、早期離職、引きこもりというリスクが常につきまとうことになります。

 

 

発達障害があるからといって、
常に最悪のケースにばかり行くわけではありませんが、
そのリスクが「高まってしまう」ということは知っておく必要があります。

 

 

2、負の連鎖が続く

 

 

中学校では、
学力の高い子、学力の低い子、混ざり合っています。

 

 

しかし、高校に行けば、
偏差値ではっきりとランク分けされます。

 

 

学力と発達障害は、明確な関係があるので、
偏差値が低い学校に行けば、発達障害を持っているお子さんたちの割合は増えることになります。

 

 

各都道府県で偏差値による公立高校のランク付けがあると思います。
そして、偏差値が低い高校ほど、退学者も多いです。

 

ここで重要なのが、退学する理由です。
退学の理由は、授業のレベルが高いからではなく、低すぎて意味がないと感じて、やめる子が多いんです。

 

 

偏差値の低い高校は中学校の学び直しがほとんどです。

 

 

つまり、中学校を6年やっているのと同じなんですね。
それに対して、偏差値の高い学校は、大学受験に向けての準備や、英検などの検定試験に向けての勉強、
新しい教育の可能性として新しい試みにたくさん触れることができます。

 

中学校の内容、それを少し難しくしたような問題を3年やる子と、
難しい問題にチャレンジしたり、新しい教育方法を受けられる3年間を過ごす子と、
大きな差がついていくと思いませんか?

 

また、発達障害のお子さん同士は共鳴しやすく、
発達障害の良くない部分をさらに伸ばしてしまうことも多々あります。

 

 

それに加えて、教育困難校の大学も増えており、
そういった大学は再び、中学校内容からのやり直しになります。

 

高校に行っても、大学に行っても、中学校の内容を繰り返す子と、
レベルの高い問題や教育に触れられる子と、どんどん差が広がっていくことになります。

 

 

中学校、高校、大学という10年間でついてしまった経験の差は、
就職活動や社会人、ビジネスでの生活にもろに出てくるようになります。

 

 

自分の欠点ばかりが目につき、
自信を無くして、引きこもりになってしまう理由がわかりますよね。

 

もちろん、私は、人生はいつだってやり直しが効くと思っています。

 

だけど、自分の発達障害に気づかないまま、成長してしまった人が、
もう一度、人生をやり直すのは、相当な「労力」が必要だということも事実なんです。

 

 

だから、中学生、高校生のお子さんを持つあなには、
早めにお子さんの発達障害に気づいてもらい、その改善のために力を尽くしてほしいのです。

 

 

3、圧倒的に子どもなまま

 

 

私の教室では、塾の講師がトイレやプリントのコピーに行くとある現象が起きます。

 

何人かの生徒が夢遊病者のように、
廊下をうろつくんです。

 

もちろん、大学生のアルバイト講師と言っても、馬鹿ではありません。

 

子どもたち1人でもできる。
自分が4〜5分、席を離れても、1人でできる。
そこまできちんと話をしてから、トイレに行ったり、ほかの子のコピーをしに行ったりします。

 

 

それでも、彼らは動き出します。

 

 

それは、「不安」だからです。

 

 

理由はひとりひとり微妙に違いますが、
1人でできるのに、「不安」だから、大人を探します。

 

 

普通の子は、どんどん問題を解きます。
自分で答え合わせもします。
時には間違えます。

 

だけど、それをどんどん自分で消化し、次に進んでいきます。

 

 

でも、発達障害のお子さんは、

 

この英語のスペルが間違っている気がする。
自分で解いたけど、なんか不安。
さっき、教えてもらったやり方がどこかに飛んでいってしまった。

 

これらの理由で、大人を探すんです。

 

どれだけ効率の悪い動きであっても、です。

 

学力、能力というのは、
間違わない力ではありません。

 

自分の弱点に気づいて、自分で改善させていく力が最も必要です。

 

 

発達障害の症状がきついお子さんは、
とりあえず最後まで自分で解いてみて、答え合わせをして、自分の間違いを確認するということができません。

 

逆に言えば、
これができるようになれば、子どもの力はぐんぐん伸びていきます。

 

 

少し前にこんなことがありました。

 

中学3年生の男の子が、1人で○つけまでできた!と、
私に、Be動詞の現在形と過去形の問題を見せてくれたことがあります。

 

 

とても、素晴らしいことではありますが、
もう中学3年生で、受験を控えた男の子が、プリントを1枚、2枚一人でできたからと見せにきてくれるんです。

 

 

きちんと褒めましたが、心の中では苦笑いでした。

 

 

小学校低学年くらいまでのお子さんは、何か達成するごとに、見せたがります。

 

 

その子たちとおんなじ得意そうな笑顔で、見せてくれるんです。

 

 

そんな子たちを見て、ある大学生がこういいました。
「かわいいけど、かわいそうですよね」と。

 

 

そう、かわいらしいといえば、かわいらしいんです。
いつまでも、幼いというのは、大人から見れば、かわいい。

 

けれど、それは、同年代にどんどん差をつけられてしまうということです。
その証拠に、そういうお子さんは同級生よりも、
年下のお子さんと仲良くすることが多いです。

 

 

年下と仲良くすることは悪いことではないですが、
さらに、同年代に取り残され、差がつくことになります。

 

そうやってどんどんどんどん差が開いていくわけです。

 

そして、本人はそれに気がつかないまま。
まわりに相手にされなくなっていきます。

 

 

この状況はとてもかわいそうだと思います。

 

 

そうならないように、早い段階で、
発達障害を改善させるという意識が必要なんです。

 

 

 

 

 

発達障害の怖さは、人としてどんどん差をつけられることです。
お父さん、お母さんは、気をつけてみてあげてください。

 


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