管理人からのお知らせ

机で寝てみる〜発達障害の子の気になること【睡眠障害】

 

机で寝てみる〜発達障害の子の気になること【睡眠障害】

 

 

 

 

発達障害のお子さんで、
最も心配なことは、【睡眠障害】です。

 

この夏、少し時間があるときに、
私や、私の勤めている教室のアルバイトの大学生の塾講師に、
机に突っ伏して寝る、ということを実験してみました。

 

 

机で突っ伏して寝る。
いったい、どれくらい寝られるものなのか。

 

 

やってみると、
15分から長くても20分くらい眠ると、
みんな「ギブアップ」しました。

 

身体のどこかがいたくなったりして、
寝るどころではない、というのがみんなの意見でした。

 

私自身もやってみましたが、
やはり、15分くらいが限度でした。

 

腕の上に頭を置いて寝るんですが、
15分ほどすると、腕が痛くなってきて、眠ってられなくなります。

 

腕を枕にしないで寝ると、
態勢がきつくて、やはり目が覚めてしまいます。

 

でも、私やあなたもそうかもしれませんが、学生の頃を思い出すと、
死んだように机に突っ伏して寝てしまったことありませんでしたか?

 

不規則な生活や、
疲れすぎてしまっていたりすると、
私も大学の講義で、寝すぎてしまったことが多々ありました。

 

 

今では、その先生に、申し訳なかったと思います。

 

普通の人でもそういうことはあります。

 

 

 

ただ、特別な、理由がないのに、ずーっと眠ってしまう子もいます。

 

 

 

なにか特別なことがわるわけではありませんが、日々の疲れ、不規則な生活によって、
机に突っ伏しても、30分、1時間と寝てしまうお子さんはいます。

 

特に、不安になってしまうのが、
よだれの量もすごい、ということです。

 

下にプリントがあると、ベチョベチョになってしまっていることも。

 

そして、そんなお子さんは、
発達障害の症状がきつく出ています。

 

 

学校で寝てしまう。
塾で寝てしまう。

 

 

その姿が死んだように、30分、1時間寝てしまうというのは、
本当に異常な光景です。

 

 

でも、発達障害の症状がきつく出ているお子さんは、
よく寝てはいけない場面で寝てしまいます。

 

 

そして、そんなお子さんの
きつく出てしまう発達障害の症状というのが、

 

1、記憶障害
2、幼児性
3、成長力のなさ

 

です。

 

 

発達障害の方が、どうしてまわりから疎外されてしまうのかというと、
1つに、記憶障害があります。

 

友達と交わした約束を守れない。
学校だと班単位の提出物の期限が守れない。
学校の先生や誰かがさっき言ったことを、まったく覚えておらず、
まわりに気味が悪いと思われる。

 

 

といったことが起こります。

 

 

普通、記憶というのは睡眠によってつくられます。

 

規則正しい生活をしているお子さんは、
普通に記憶力がいいです。
もちろん、勉強に対して真面目に取り組む、取り組まないの差はありますが。

 

睡眠障害を起こしているお子さんは、
この記憶の定着という機能が弱く、
さっき言ったこと、昨日言われたこと、
最悪の場合、自分が話したことすらも、ポーンと記憶のかなたへ消えていっている場合があります。

 

 

睡眠障害は、記憶障害も引き起こします。

 

 

クラブの試合があって、
定期テスト明け、
など、明らかな理由があって、眠そうにしている場合は心配はいりませんが、
日常生活をしていて、まわりの人が引いてしまうくらい居眠りしてしまう場合は、
睡眠障害が疑われます。

 

 

睡眠障害を起こしているお子さんは、幼児性が強く、
これも、まわりから嫌われる要因の1つになります。

 

 

幼児性というのは、

 

なんでも聞きたがる、
なんでも真似したがる、
なんでも欲しがる、

 

 

です。

 

これも、まわりから嫌われる原因になります。

 

例えば、睡眠障害にかかっている子は、
国語の問題を解いていて、「○○が激怒した原因を答えなさい。」という問いを見た時に、
「先生、本文では、怒ったって書いているのに、どうして、問題文では激怒って言葉を使うんですか?」
のように、意味も分かっているし、聞かなくても問題が解ける状態にあるのに、気になることがあると解こうとしません。

 

このように気になってしまうと、
本来やらなくてはいけないことそっちのけで、そちらを聞いてしまいます。

 

このような態度は時に、
まわりをイライラさせます。

 

また、
子どものように真似をしたがります。

 

例えば、小学生が筆箱を忘れて、
塾でえんぴつと消しゴムを借りたとします。

 

で、シャーペンも消しゴムも持っているのに、
中学3年生の男の子が「先生、シャーペン貸して」と言ってくることがあります。

 

「なんで?」

 

 

と聞くと、「いや、なんか、先生の持ってるやつのほうが書きやすそうやから」

 

と言います。

 

「この前、書きやすいやつ選んで買ったって言うてたやん。
授業中に関係ないことしてんと、はよ、問題し」

 

と言っても、

 

「これも、大事なことやん」と言って譲りません。

 

私に筆記用具を借りたという行為を、真似したがるのです。

 

子どもは他の人がやることを真似したがりますが、
睡眠障害になっている子も、何歳になっても、真似をしたがります。

 

 

そして、さらに、まわりを呆れさせるのが、なんでも欲しがる、ということです。

 

例えば、アルバイトの大学生が、
旅行に行って、塾のみんなのために、1人1個お菓子のお土産を買ってくれたとします。

 

「みんなに行きわたるように1人1個ずつなぁ」って配ると、
中学生くらいになれば、みんなわかってくれます。

 

でも、睡眠障害に陥っている子は、
もらうと、すぐに食べてしまって、こう言うんです。

 

「美味しい!もう1個ちょうだい」

 

「みんなに配るから、1人1個な」

 

と言っても、簡単には引き下がりません。

 

「だって、食べたいねんもん。もう1個欲しい」

 

と言います。

 

私がそこにいなかったり、
ちょっと性格が荒い講師だと、

 

「うるさいねん!1人1個って言ってるやろが」と怒る場面もあります。

 

そして、教室の雰囲気が悪くなります。
他の生徒さんからは、あいつがいるから、教室の雰囲気が悪くなる、といった文句が出てくることもあり、
それが、学校での孤立につながることもあります。

 

 

感情のコントロールというのは、記憶の整理でもあります。

 

 

美味しいものを食べて、もっと食べたいけれど、
みんなに1個ずつだから、このことは忘れよう、もしくは、ちがうことに意識を向ける。

 

こういった記憶の整理が普通自然にできるものですが、
睡眠障害のお子さんは、この記憶の整理が苦手で、
美味しかったり、楽しかったり、気になったりといった、
刺激の強いことの記憶ばかりに意識がいってしまいがちです。

 

 

発達障害だとはっきり診断されるお子さんよりも、こういったお子さんのほうが問題になります。

 

 

睡眠障害が見られ、こういった記憶の障害、幼児から行動が抜け出せない障害、記憶をコントロールできずに、
周りから見れば、わがままが抑えられないように見えてしまう障害。

 

こういったお子さんのほうが、
いじめにあってしまったり、お父さんとお母さんとの関係が悪くていつもいらいらしてしまったり、
という状況になります。

 

 

生きたい状況になかなかならない、
いつもいらいらいしている、
いつも不安になっている、
いつも疲れている、

 

そんな状況になります。

 

 

寝るのが下手、
いつまでも寝ない子、

 

 

でも、放っておくと、
どんどんまわりとの「脳力」の差が出てきます。

 

そして、3つ目が、成長力の無さ、です。

 

成長力というのは、変化していく力、と置き換えてもいいかもしれません。

 

例えば、小学校から中学校に上がると、
宿題の価値が変わります。

 

小学校では毎日のように、宿題が出るので、
週に1回、2回忘れても、そこまで問題になりません。

 

けれど、地域によってではありますが、
中学校の宿題は、テスト前や長期休みの時に出され、提出しないと、成績を下げられることがあります。

 

これが、意欲・関心・態度の評価になります。

 

 

こういう変化に、睡眠障害がきつい子はついていけません。

 

 

小学校の時は大丈夫だったし、
あの時は、大丈夫だったし、
そのことばかりを言って、どんどんまわりの変化についていけずに、
どんどんまわりに置いていかれます。

 

変化を受け入れる、
まわりに求められるものを理解し取り入れる。

 

こういったことが本当に苦手です。

 

学年が上がり、社会に出るときに、
この対応力の無さが問題になる時があります。

 

気をつけてあげてください。

 

 

睡眠障害を甘く見ず、
ちょっと寝られないだけと考えないで、
お子さんの睡眠の問題をしっかり見てあげてくださいね。

 

 

 

 

管理人からのお知らせ