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徐々に発達障害へと子どもを蝕んでいくサイレントネグレクト

徐々に発達障害へと子どもを蝕んでいくサイレントネグレクト

 

 

サイレントネグレクト
これは、この管理人ひろあの造語です。

 

教育業界に10年以上おり、
そして、発達障害を勉強して、実際にそのようなお子さんと接するうちに、
発達障害は【親が作るもの】という認識が強くなりました。

 

 

そして、発達障害の症状が重くなってしまうお子さんの特徴というのは、
実は、親による「ネグレクト」それも、
パッと見では、「ネグレクト」に見えない「サイレントネグレクト」によるものではないか。

 

と私は考えるようになりました。

 

ですが、
ネットで調べてみると、
ITネグレクトというのがあるらしく、これが、ある専門家の間では「サイレントネグレクト」と呼ばれているそうです。

 

つまり、スマホばかり親が見る、
または、子どもを大人しくさせていたいがために、スマホを与えて、
子どもがスマホを触って大人しくなることをよく行う。

 

これを、「サイレントネグレクト」と呼んでいるようです。

 

 

日本医師会が2013年ころにすでに、警告しています。

 

新聞のオンライン記事であったようですが、
すでに、リンク切れでした。

 

 

私が考える「サイレントネグレクト」は、
この子供にスマホを与えておく、ということとは少し違います。

 

 

親が自己満足で行っている子育てが、
子どもの発達障害を助長する、脳のバランスのいい発達を阻害し、
結果として、発達障害の症状が出るようになってしまうことを指します。

 

 

親が知らず知らずのうちに、行ってしまう、
「サイレントネグレクト」とは何か。

 

 

このページでは、
この私が考える「サイレントネグレクト」について説明していきたいと思います。

「サイレントネグレクト」とは?

私が考える「サイレントネグレクト」とは、
育児放棄をしているわけではないが、子どもにとって有害な選択ばかりをしており、
結果的に、発達障害の症状が出てきてしまうことを指します。

 

 

 

 

この「サイレントネグレクト」は、一見すると、良い子育てのようにも見えます。

 

虐待でも、育児放棄でもないので、
表面上は、普通の、もしくは、それ以上の「子育て」のように見えます。

 

 

しかし、実は、
親が子どもの自発的な成長を妨げ、普通に成長できたはずであるのに、
発達障害の症状が、顕在化してしまう。

 

 

私はこういった状況に多々出会いました。

 

 

 

そして、今、日本では「サイレントネグレクト」が頻発しているのではないか?

 

 

 

と考えるようになりました。

 

では、「サイレントネグレクト」を起こしている、
親の行動を3つに分けて解説していきたいと思います。

 

 

対象は小学校〜中学校くらいの親と子どもと考えてもらえればいいと思います。

 

 

子どもに自分と同じものを求めたがる

 

 

だいたいお父さんやお母さんがたと、
子どもの世代では、20〜30年の開きがあります。

 

昔、常識だったことが、
お子さんが10歳の時の今の常識と、
すでに変わっています。

 

 

昔、優秀だったお父さん、お母さんに多いのが、
5教科で、400点、450点以上は当たり前と思っている方々です。

 

 

今の小学生、中学生くらいの、
お父さん、お母さんのころの時代は、成績は相対評価でした。

 

定期テストの平均点が何点であれ、
上から順番に、5段階であれば、5段階の、
10段階なら、10段階の成績が人数ごとに勝手に割り振られていきます。

 

 

だから、比較的、テストが取りやすいんです。

 

 

それが、絶対評価に変わると、
テストを難しくしていきます。

 

 

これは、中学校の評価の仕方が、
相対評価から絶対評価に変わっても、
公立高校の入試制度があまり変わっていないからです。

 

基本的に、公立高校は、

 

中学校の成績を内申点として、
当日の入試のテストの点数と合算して合否を決めます。

 

相対評価の時は、人数比によって、問答無用で成績をつけられましたが、
絶対評価では、その成績にした「妥当な理由」を求められます。

 

他校との兼ね合いもあり、
Aという中学校では、全員が5段階中の「5」なのに、
Bという中学校では1〜5まで、まんべんなくつけている。

 

これでは、A中学校が、
公立高校入試に有利であり、B中学校が不利になります。

 

これを防ぐために、多くの中学校が、
成績のつけ方は絶対評価になったけれど、
結局、相対評価の時と変わらない成績のつけ方をするようになります。

 

 

どうするかというと、定期テストのレベルを上げて、
点数を取りにくくするんです。

 

 

相対評価の時は、中間テスト、期末テストが90点以上でも、
5段階中4をつけられました。
相対評価だから、あなたより上の人がいたんだよ、で済むからです。
「済む」というか、事実なので、変えようがありませんでした。

 

 

しかし、絶対評価になると、
中間テストと期末テストで90点以上取っているのに、
5段階中4になると「クレーム」が来ます。

 

80点と、78点で、5段階中の5になることは喜ばれますが、
その逆は、「クレーム」のもと。

 

できるだけ平均点をおさえ、
相対評価の時と同じような成績のばらつきが出るように、
成績を調整しないといけないのが今の中学校現場のリアルです。

 

だから、思った以上に、
成績が伸びないのは「当たり前」なんです。

 

 

しかし、その「今」の変化を知ろうとしない親は、自分の価値観を子どもに押し付けます。

 

 

そして、自分の理想を子どもが出すまで、
子どもの監視を続けます。

 

 

中学生になっても、

 

  • 宿題はリビングでやらせ、その様子を監視している。
  • 塾に来ては、塾の様子を聞きに来る。
  • がんばって、すべての教科80点以上取っても褒めない。

 

せっかく、子どもががんばっていても、
その成長を認められない、その親の色眼鏡が曇りすぎていて、
子どもの本当の頑張りが見られないんですね。

 

 

で、どんどん、子どもは親に不信感を抱き、
親に逆らったり、自律神経をやられて、不眠や日中の不快感、集中力の低下などに苦しみます。

 

 

塾ではよく見かける「サイレントネグレクト」の親の典型です。

 

 

 

栄養の管理ができない

 

 

昔、魚に含まれるDHAが脳にいいと、話題になったりして、
市場から缶詰がなくなるという事態が生まれたこともありました。

 

 

みのもんたさんが納豆を紹介したら、
その翌日にはなくなったという話もありましたね。

 

こういう食品の話題に敏感な大人もいれば、
まったく頓着しないお父さん、お母さんがいるのも事実です。

 

成長期の子どもは、
良いものの影響をたくさん吸収しますが、
悪いものの影響もたくさん受けてしまうんです。

 

成長期の細胞は、
良くも悪くもすべてを取り入れて成長します。

 

 

この時期に悪いものを摂れば、
その影響は成人よりも被害は大きくなります。

 

 

特に悪影響なものが、
ファーストフードの揚げ物です。

 

私が経験した例では、
小学2年生になっても、指しゃぶりが抜けなかったり、
手を使って計算しないといけないお子さんは、
「マクドナルド」が大好きでした。

 

マクドナルドが悪なのではなく、
トランス脂肪酸など、体に良くないものが入っている食品は、
できるだけ避けるというのは親の務めです。

 

 

神経質すぎるのもいけませんが、
ちょっと調べれば、体に良くないとわかるものについては、
基本的に食べない、食べさせない、という親として当たり前のことをしてほしいだけなんです。

 

 

育児は大変だと思いますが、
大事な時期に手を抜くと、
子どもの発達障害によってさらに苦労することになります。

 

 

子どもの栄養管理は親の仕事です。

 

 

ぜひ、気をつけてください。

 

 

 

ゲームばかりの親

 

 

 

子どもの発達障害を重症化させる1つの原因に、
テレビやゲームは常に話に上がります。

 

 

やまもとまゆみさんの本『発達障害の子がぐーーーんと伸びる心と体の育て方』でも、
小さいお子さんの多動が、テレビをやめただけで、おさまった例が載っています。

 

 

 

 

ただし、テレビやゲームが一方的に悪者、ではないんです。

 

 

『拝啓、アスペルガー先生』では、
子どもの好きなテレビ番組を活用することで、
朝が苦手という症状を上手く克服できたお子さんの例が載っています。

 

 

気をつけないといけないのは、、
ただただ、テレビを垂れ流す生活。
ゲームをさせていれば、子どもが大人しいからという理由で、
テレビやゲームに子育てを頼り切ってしまう生活、です。

 

 

受動型のテレビやゲームでは、
反応する脳の部位が一定であることがわかっています。

 

 

すごく大々的に報告されますが、
当たり前のことだと私は思っています。

 

魚釣りをしているとき、
将棋をしているとき、
オセロをしているとき、
テレビを見ているとき、
ゲームをしているとき、

 

活性化する脳の部位があれば、
あまり活用されない脳の部位があるでしょう。

 

それは、どんな遊びでも一緒だと思います。

 

 

大事なことは、
親ができる限り、いろんな経験をさせてあげること、
ゲームやテレビの楽さに頼りきりにならないことです。

 

 

子どもの脳は、
対人関係、特に親や大人との触れ合いで、よりよく成長するようです。

 

 

トランプ
ボードゲーム型の陣形ゲーム
オセロ
将棋

 

相手を意識しながら、
時には会話をしながら遊ぶことができるゲーム。

 

これが脳の発達に、いい影響を与えるんですね。

 

ゲームやテレビに頼りきりになることは、
すでに、ITネグレクトとして、数年前から問題になっています。

 

 

子どもとコミュニケーションしながらできるテレビゲームなら、
ゲームのデメリットを最小限に抑えられますし、
ゲームも楽しむけれど、
テスト前なら我慢してゲームをやめることができるなら、
そこを褒めてあげましょう。

 

 

「自律」を学んでいるわけですから、
ゲームの誘惑に負けずに、勉強や部活で結果を出しているなら、
そこを褒めてあげましょう。

 

 

楽だから、
子どもが喜ぶから、
子どもが決めることだから、

 

 

と、ゲームを子どもの好きなだけ与えて、後は知らんぷり。

 

 

これは、子どもの発達障害を助長させます。

 

 

脳の一番の成長は、
人と接するときなんです。

 

 

だから、子どもの成長の大事な時間を、
テレビやゲーム、スマホのアプリに任せる親の行為も、
「サイレントネグレクト」と言えます。

 

 

以上、3つの「サイレントネグレクト」を上げました。

 

 

発達障害は、生まれ持ったものよりも、
どういう環境で育ったか、
特に、「ネグレクト」の部分が大きいと言われます。

 

 

それは、わかりやすい虐待というものではなく、
親も発達障害のお子さん、本人も気がついていない「サイレントネグレクト」によって、
歪んだ脳の発達をしてしまったせいかもしれません。

 

 

気がつかないうちに「サイレントネグレクト」をしていないか。

 

 

気をつけてください。

 

 

 

 

親によるネグレクト、特に、サイレントネグレクトは、
少しずつ、親も子供本人も気づかないうちに、発達障害を悪化させます。

 

そのことを知っておいてください。

 


 

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