気をつけたい発達障害の子どもの口癖〜勉強の意味ある?
気をつけたい発達障害の子どもの口癖〜勉強の意味ある?
私も教育業界にいて、10年が経ちます。
教師も経験し、
塾講師を経験し、
この業界にいると、科学的な根拠はないけれど、
こういった口癖の子に、発達障害が多いというのがわかってきます。
そして、気をつけたい口癖が、
この「勉強の意味ってある?社会に出ても、使わないのに」です。
冗談で言う子もいるので、
その辺の見極めは厳しいんですが、割と本気で言っている場合は、気をつけたほうがいいです。
例外として、
文系の大学を受験する高校生が、
数学Bのベクトルを見て、
「絶対に、将来使わないのに、なぜ、勉強するんだ〜!」とわめいていたら、
これは、別にいいです。
数学Bのベクトルの後半なんて、
私も、今でも、意味があんまりわかりませんから。
そうではなくて、
中学校レベルの内容の勉強について、
「こんなことやっても意味がない」
とか、
「勉強は嫌だ」
とか、
割と本気で言っている場合には、要注意です。
これとあわせて、
学校の提出物が期限の内に出せない。
授業中おしゃべりをしてしまう。
授業中寝たら絶対についていけない授業で寝てしまう。
といった症状があれば、
その子は、発達障害の可能性が大です。
どうしてたったこれだけの口癖で・・・・
どうして、たった、これだけの口癖で、
発達障害のあるなしを決めることができるのか?
中学生に限った話と考えてください。
私がこのように言う理由としては、
5教科で350点以上(その地域、その学校によって変わってきますが)取れるお子さんは、勉強の意味なんてことは言いだしません。
それは、盲目的に学校の勉強を信じているからではありません。
自分の将来が、薄っぺらい内申点で決まることを重々知っているからです。
通知表の、5段階なり、10段階の数字。
数字で子どもたちの能力を決めつけてしまうデメリットは、
流行の歌の中にも、
たくさんの著名人の書籍の中にも、
テレビでもこれでもかと論じてこられました。
しかし、現実は、
その制度はいまだに残り、中学生の能力の判断は、通知表によって決められます。
良いか悪いかの問題ではなく、「現実」という話です。
発達障害の症状が見られない子は、このことをわかっています。
だから、黙って、勉強します。
けれど、発達障害のお子さんの場合、
自分の成績が振るわない理由を作り出そうと、
「学校の勉強は意味がない論」を振りかざします。
この口癖の怖いところは、
そうやって勉強しないでおくと、
どんどん、自分の将来の選択肢が狭くなっていくことに気がついていないことです。
子どもだし、
「勉強なんて社会の役に立たない」なんてすぐに言うよ。
と思われるかもしれません。
言うこと自体はいいのです。
でも、それを、中学校2年生になって、3年生になって、
本気で言っているようなら、発達障害のお子さんの可能性が高いんです。
ADHD、アスペルガー症候群。両方のお子さんに見られます。
この「勉強なんて社会に出たら役に立たない」という発言は、
ご家族の方が、お子さんの発達障害に気がついてない場合に多く見られます。
「暗記はめんどくさい〜」はいいのです。
これは事実なので。
でも、「勉強は社会に出た時に役に立たない」は、
事実ではありません。
社会に出る1つ前の段階の、選択肢に圧倒的な影響力を持っているからです。
ちょっと考えればわかるようなことが、
少しも考えずに言葉に出てしまっているんです。
このまま支援をしないで放っておくと、
人生を転落していく可能性があります。
子どもがよく言う口癖には違いありませんが、
非常に重い意味を持った言葉です。
自分のお子さんがこういったことを言っていないか、気をつけてあげてください。
口癖を治せばいいというものではなくて、
発達障害に気づいてあげてください、ということです。